ワープ
相応しい役割が果たせていないとき
容易に安易に願う
天国にワープします
そのときワープしているのは
自らの心だ信仰だ
楽になりたい
ということだ
無為が好褥を欲するなら
食って出して
いつまでも寝ていろ
今日は夜眠れた
今日の排便は直腸からストレートに
スポーンと気持ちよく出た
直腸の分だけ腹が軽くなったようだった
それさえも奇跡のようなものだ
食えること出せること眠れること
見えること聞こえること
触れること動けること
今息をしているということ
全て奇跡的に起こっているのだ
それに感謝することも忘れて
これ以上どう楽になりたい
地獄ではなく
あの世でもなく
たぶん疑うことを忘れるほど
とても良いところなのだろう
天国にワープしたいと願うとき
心はワープしています
信仰はワープしています
ウォープしています
WARPしています
SFのワープはSFだ
空間の歪みを夢見るより
おのれ自身の歪みを知れ
(2007年02月17日)
写真
惚れた腫れた
も疾うに過ぎ去って
老いと病と貧しさの果てに
罪を犯したような人相
貧しくもなく、また富みもせず、
ただなくてはならぬ食物でわたしを養ってください。
飽き足りて、あなたを知らないといい、
「主とはだれか」と言うことのないため、
また貧しくて盗みをし、
わたしの神の名を汚すことのないためです。
(箴言三十より)
ぬるい信仰が長びくばかりで
生き残るほどに醜くなる顔の
わが目はあなたの救いと、
あなたの正しい約束とを待ち望んで衰えます。
(詩篇一一九より)
若き日とは違った
あたかも白内障の内側のように
わずかに残された仮定の視野で
望む御国は
あの世ともこの世とも付かず
まるでエロスのように
肉体のある限り切々と求め
打ち寄せては戻る波のようでありながら
衰える狭窄から祈りへの
二度と戻らない緩やかな渦に任されてゆく
(2007年03月08日)