惑いの台詞
わかっているさ
が繙(ひもと)こうとしているのは
解けない帙(ちつ)の夥(おびただ)しい中味
勝手だろ
が映し出す姿は
儘(まま)ならぬこの世の物事に
圧倒されている詰めの甘い自分
ほっといてくれ
が教えることは
ほっとかれて為し得る事の乏しさ
詰まるところの惑い
まだ団居(まどい)を求めているか
中身のある談笑を信じたいか
(2002年09月16日)
弱虫
明るく見えても
穏やかに見えても
やさしそうに見えていても
ときおり激しさや険しさや苦悩を覗かせるのは
押し潰されそうになりながら
消え入りそうになりながら
懸命に重たいものを支えているのかもしれない
常にプラスの方を向いていなければ
常に前向きでいなければ生きられぬ
というほどに
だとすれば
暗さを暗いまま
激しさを激しいまま
腐肉を腐肉のまま押し出してしまうのは
すでに認めざるを得ないのだが 改めて
不治の弱虫だと
ある日ふるえるように 思う
(2002年09月27日)