耐えてひるまず      戸田聡
 
虐げられたという怒りの前に
なだめるように墓標は立つでしょう
虐げたことは一度もないと言えますか
そして哀しげに見回すでしょう
恨みを晴らしたいのですか
それとも不正をただしたいのですか
恨みを晴らしたいのなら
怒りに身をゆだねるのが早くたやすいこと
しかしもし不正をただしたいのなら
いかなる闘いにおいても
人が人を切ることの恐れと罪を知り
義を足場として固く立つべきでしょう
 
怒りは怒りを生むだけだから
いかなる不幸を前にしても
最後まで耐え忍ぶべきことがあるはずです
あらゆる理不尽と不正と
差別と犯罪に対して闘うことを
勇気と呼ぶために
 
主イエスは言われました
「心の柔和な者は幸いである」
そして命を賭した柔和さを示されました
 
この身はたとえ死の谷を歩もうとも
墓標の石板に
それら勇者の名は刻まれる
人には悲しい戒めのように
 
ディスクリミネーション
クライム


耐えてひるまず
 
(作成年月日不明・・・96年か、それ以前?)
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誰からも、私の座右の銘からも、
「何様のつもりだ!」と言われそうな作です。
被害者と言われる人々だけでなく、
個人の苛められ体験や、個人の恨みも、
もちろん私自身も問われることだと判断いたしました。