義援金
 
眠って起きて
また一日
死にそこない
生きのびる
 
世界で何人死んでゆく
老衰・病気
事故・殺人・自殺
災害
地震と津波・雷・火事・・・
細かく分ければ切りがない
老衰が
いちばん少ないんだろうな
これだけ多くの死因があって
リスクのない時も所もないはずなのに
今日一日まだ生きていて
意識がある
なぜ自分が生きのびているのか
考えているから
まだ生きている
 
寿命といっても
誰が生きのびて誰が死ぬ
という
生きのびる必然も死ぬ必然もない
なのに
死んだ年は享年と呼ばれ
天から享(う)けた年
この世で与えられた年数
ということになっている
 
空しく永らえて年をとって
生きのびる
より
死にそこなう
が実感に近くなって
死んだ人に
代わってあげてもよかったなどと
不謹慎なことを呟いてしまう
ぼうっと孤独
 
生まれてきたことは
誰のせいにも出来ないけれど
この孤独は
自業自得だ
 
根拠もなく少額の
義援金に
もやもやして
これだけしかできなくて・・・

の気持ちを込める
遠くへ
消え入りそうで
果てもなく長そうな
ため息を濡らしながら
 
(2011年04月01日)
(2011年04月03日あちこち修正)