前に書いた「3桁を入れ替えた数の和」
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/8959687.html
において用いた「数字根」と「合同式」について
 
数字根というのは
整数の各桁の数を足す、ということを繰り返して、
最後に得られる1桁の数。
 
合同式、例えば
 55≡19 (mod 9 )
というのは、9を法として55と19は合同という。
意味は、
55を9で割った余りと19を9で割った余りが等しい。
または、55-19(=36)は、9で割り切れる。
ということを表す。なかなか私は使いこなせないのですが・・・
( mod は法と呼び、modulus ・・・
構成単位というような意味?・・・よく知りません。失礼。)
 
3と9の倍数判定、および余りの計算において、
整数Nの各桁の数を足した数が3か9で割り切れれば、
整数Nは、それぞれ3か9で割り切れることを習ったので
 
 N≡(Nの各桁の数を足した数) (mod 9)
または(mod 3)
 
以上より
 (Nの数字根)=(9を法としてNと合同な数(例えばP)の数字根)―――――①
とも言えます。
何故なら、9で割った余りが等しいことから、
後述のような a を考えることが出来る。
N、P、m、p、を整数として、
(9m+a)=N≡P=(9p+a)≡a  (mod 9)
NもPも、数字根は、a になる。
 
同じことですが、次のようなことも言えます。
 N≡(N-(9の倍数)) (mod 9) ――――――――――②
 
前の記事においては(mod 3)を使いました。
しかし数字根については、
どうも (mod 9)を使ったほうがよいようです。
というのは、例えば、65536の数字根は
 6+5+5+3+6=25、2+5=7 になりますが、
mod 3 を使うと 7≡4 (mod 3)が成り立ってしまうからです。
また65536の数字根は、②より
65536-63000=2536、2536-1818=718、718-630=88、
88-81=7 というように9の倍数を引いていって求めることも出来ますが、
3の倍数を引いてゆくと、65536-6000=5536、5536-4800=736、
736-636=100、100-99=1 となって変な結果になります。
よって数字根については法を9(mod 9)とします。
 
そこでウィキペディアに載っていた2つの問題を考えてみます。
(他にもあるのですが、私は未だ分からないので)
 
問題:
平方数の数字根は、1,4,7,9 の、いずれかである。
立方数の数字根は、1,8,9の、いずれかである。
 
解答例:
すべての正の整数Nは,整数m≧0として、
 9m+a (a=1,2,・・・,9)
で表すことが出来る。
一般に「二項定理・二項係数」より
(9m+a)のn乗の展開式で9を含まない項はa^nだけだから、
 
 (9m+a)^n =9L+a^n (Lは整数)とおける。
このことから、また②より
  (Nのn乗)=(9m+a)^n
 =(9L+a^n)≡ a^n  (mod 9)
 
これはN^nの数字根は、①より、
  a^nの数字根 (aは1から9までの整数)
に等しいということになります。aは、9通りですから
計算を9通りに絞ることが出来ます。
 
平方数について説明すると
N^2=(9m+a)^2=(9m)^2+2×9m×a+a^2
=9(9×m^2+2ma)+a^2 ≡ a^2 (mod 9)
 
問題に戻って、平方数と立方数の数字根を計算してみると
a    a^2 (a^2の数字根) a^3 (a^3の数字根)
1     1     1      1     1
2     4     4      8     8
3     9     9     27     9
4    16     7     64     1
5    25     7    125     8
6    36     9    216     9
7    49     4    343     1
8    64     1    512     8
9    81     9    729     9
 
a≧10以降はというと、例えばa=10の場合、
N=9m+10=9m+9+1=9M+1となり(Mは整数)
a=1以降を繰り返すことになる。
即ち数字根は、a によって、
多くても9個の数を繰り返すことになる。
 
以上より
平方数の数字根は、(a^2)の数字根であり、1,4,7,9 しかない。
(1,4,9,7,7,9,4,1、を繰り返すかな?と最初期待したが、)
1,4,9,7,7,9,4,1,9、を繰り返す。
立方数の数字根は、(a^3)の数字根であり、1,8,9 しかない。
1,8,9,1,8,9,1,8,9、を繰り返す
ということは1,8,9、を繰り返す。
 
(2011年04月11日)
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もっと簡単な解き方とか、分からないことが
いっぱいありそうです。気晴らしになるようで、
だんだん、めんどくさくなってきます・・・(苦笑・嘆)
 
理解というのは、理屈に合うことよりも、心の解放感を伴うものだと思うので、
めんどくさくなったら、しばらく休むことにしています。
 
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結局、数字根=9で割った余り、とも言える・・・
(9M+a)+(9L+b)=9(M+L)+(a+b)だから
((Aの数字根)+(Bの数字根)の数字根)=(A+Bの数字根)
(9M+a)×(9L+b)=9(9ML+Mb+aL)+abだから
((Aの数字根)×(Bの数字根)の数字根)=(A×Bの数字根)
検算にも使われるらしい。
ただし9で割り切れて余り0のときは、数字根9になる。
数字根0になる整数は0以外にないから。
9m+aで、aを0から8ではなく、
1から9にしたのも、そのためだったような・・・
 
ウィキペディアより
あと2題:
3以外の素数の数字根は、1,2,4,5,7,8、のいずれかである。
2^nの数字根は、1,2,4,5,7,8、のいずれかである。
 
解答例?:
題意より、1,2,4,5,7,8、になりうることを示し、
かつ、3,6,9、つまり3の倍数になり得ないことを示せばよい。
 
素数N=9m+a (a:1から9まで)
   ≡a (mod 9) ・・・これが数字根
(背理法または帰謬法)
これが3の倍数、整数pとして、3pになると仮定すると
 素数N=9m+3p となり、 (pは、1,2,3)
 素数N/3=3m+p
左辺は約分できない分数、右辺は整数、よって矛盾。
∴数字根は、3,6,9、にはならない。
素数の数字根:1,2,(題意より3は除外),5,7、11→2、
13→4、17→8、・・・より題意を満たす。
 
2^nも同様に 2^n=9m+3p と仮定すると、
  2^n/3=3m+p
左辺は約分できない分数、右辺は整数、よって矛盾。
∴数字根は、3,6,9、にはならない。
2^nの数字根:1,2,4,8,16→7、32→5、64→1、
・・・より題意を満たす。
 
(2011年04月12日、加筆修正)
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この単純さでよいのかな・・・
間違っていたら御一報いただければ幸いです。
 
あと、6以上の階乗の数字根は9
というのもありましたが、
6の階乗が既に、
6!(と書きます)=6・5・4・3・2・1(掛け算)
=9×2・5・4・2・1、で、9の倍数ですから数字根は9。
 
一昨日から今夜にかけて、休み休みだが数学三昧だ。
この道楽はお金がかからなくていい・・・
やっているときは、鬱気分も、いろいろな心配事からも
気が紛れる。あるいは、ひょっとしたら逆で、
気分が少しはいいから、できるのかもしれないが・・・
どちらでもいい、現実から逃れることは結局出来ないから、
今、落ち込んだり慌てたりしてもしょうがないし・・・
修正がなければ、また、次に何を書くのか
分からないまま、一休みします。