謙虚
 
 
神を知性で捉えて理解することは出来ない
真実である
しかしそう言いながら
解釈においては
人にとって常識的な論理つまり知性を用いて
人は神との関係を持つことが出来る
それが神を知ることだと語る
ここまでは
「信仰の原罪」である
不可避である
信仰者にとって生きるために不可欠だから
 
しかし
神との関係を持ち
神を知った者が
やはり常識的な論理の言葉を用いていて
つまり死ぬまで人知によらざるを得ないのに
様々な個別の出来事や事柄を
人の及ばない秘め事であるのに
神の行為と結びつけて判断し
確信をもって伝え広めようとするなら
その者は預言者かキリストか
聖なる御方ということになってしまう
明らかな傲慢である
 
自分は神のしもべですが
様々の驚くべき出来事について
しもべは主(あるじ)が
人知を超えた御方であることを知るゆえに
信仰をもって
それを恐れ
主なる神の行いについて
しもべの浅知恵や
限りある経験によって断定することをも恐れます
 
慎ましく受け取り
あたかも間違いのない神のごとく
確信を持って声高に語ることをせず
慎ましく語り
何事も包み隠さず考え
正直に祈ります
少なくとも都合の悪いことに
目をつぶったり
耳を塞いだり
口をつぐんだり
他の口を封じたりはいたしません
 
さらに自らの瑕疵(かし)を消して
まるで最初から
なかったかのように
見せたりもいたしません
 
さもなければ
起こっている悲劇を聞きながら
我が身の多幸を感謝して
自分を満たすために
心地よい信仰の砦を作って
抵抗しない人だけを招き入れ
自分の解釈に神秘の味付けを加え
自分の花園をこしらえ
造花を植えて
愛でることになるからです
 
(2011年05月31日)