ゆく夢
 
 
未来は砂漠の蜃気楼を
羊がふらついて歩いている
 
過去は洞窟を色違いに塗り変えた
あれはあったのか
本当にあったのか
 
今は失われる
色も、形も
ヒト、人、人間
モノ、物、動くもの、止まるもの
 
食うことも出すこともなく
何も必要ではなく
何も期待されず
ゆえに何も失望されず
 
ぼんやりと有るか無きかの意識で
大きく映るスクリーンに
この世を眺めることができたら
 
心気は霊のようなものになり
洞窟を染めて
羊に乗って
姿を涙ぐんでなくしながら
フワフワしていたい
 
(2011年07月03日)
 
 
 
炎症
 
 
炎症は燻(くすぶ)り続けているので
矢も盾もなく異国語のように甲斐なく叫ぶ
へぶりぎゃぶりぎゃあ
鎮痛剤は歯痛に働き
飲みすぎた抗生物質が胃から臭ってくる
ボツリヌスは耐性に痺れたまま
あらゆるトキシンはペニシリンは
病気が当てはまる不審者に親しみながら
冤罪のスキームで常同の書類を呼ぶ
溶かせるものがあるならば
吊るされたドクターの膿(うみ)を出したい
牧場に散らばる羊飼いの糞が
通りがかりの風に乗せて
実の生(な)る木の対称を崩して
異境の象形を鬼籍に収めんとするは
鎮まるものがないからか
燻(いぶ)し出された不協和の傷が
さびしい夕陽の眼差しに冷めて
次の発病のために
町から遠く
癒しの種を土中に葬るまでは
奇声の熱は夜に任され
サイコの草原に隠されてゆく
束の間ひっそりと暗闇の質量に
 
(2011年07月03日)
(2011年07月05日、若干修正)
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ポエムらしいポエムを、と思っていたけれど、私らしく、
結局奇怪なものになりました。失礼・・・

人から聞いた話ですが、昔、外国の人に英語で何か聞かれて、
日本の高校生が、英語が分からないものだから、
へぶりぎゃぶりぎゃあ・・・と、やけくそで言って、
外国の人は肩をすくめて去っていったそうです。(笑)
中学と高校で英語は習ったけれど、私も
英会話、聴いて分からず、しゃべれません。(苦笑)
日本人の若者が英語で話しているのをテレビなどで見ると
うらやましい・・・といっても私は努力しなかっただけで、結局は
母国日本語のコミュニケーションにも不自由してるのに気づくことになって
伝わらない、伝わってこない・・・へぶりぎゃぶりぎゃあ・・・(悲・苦笑)