独裁と民主主義
 
 
最も効率のよい体制は独裁であるが
妄想と横暴の惨禍をもたらしたゆえに
独裁に代わって
最上の体制として民主主義が唱えられた
しかしながら
民主主義は独裁を否定するはずなのに
独裁は民主主義から生まれている
 
かつて独裁は民主主義を露骨に蝕んでいたが
現代では
宣伝と煽りと刷り込みと隠蔽によって
むしろ民主主義に乗った形式で神話を作り
忍び寄り
潜り込むことを気づかせず
逆らうことに非常識のレッテルを貼る
 
独裁の民主主義に対しては
宣伝と煽りと刷り込みと
隠蔽とを暴くことによってのみ
そのときの民主主義を
辛うじて勝ち取るしかなくなっている
 
独裁を結果としない民主主義について
その精神について
その真実について
その在るべき姿について
未だ実現した国はなく
未だ明らかに知ることは出来ておらず
制度や骨組みの条文だけが
それらしい振舞いとして使われていても
真の結実は殆ど達成されていない
 
民主主義は
偽りの姿を知ることによってのみ
辛うじて真実の欠片を垣間見せるのみである
 
(2012年03月10日)
(2012年03月10日、一部修正)
 
 
 
国と国民
 
 
国民は国を守るべきか
民あっての国
国あっての民
という関係概念において
不可分な国と国民であるが
国民は国を守るべきなのではない
 
国が国民の生存権を守るという条件においてのみ
国民は国を守るのであって
国民が国を守るべき
という当為が無条件に存在するわけではない
 
国民が国を守るのは
国が国民を守るべきという当為の
努力の延長線上にある必然である
 
国は国民を操るのでもなく
引っ張って導くのでもなく
当然のごとく支配するのでもない
 
国と国の法制度はコンビニエントに
国民全員が生きるために
利用するのに不可欠な仕組みであって
統治は常に必要悪である
 
したがって国と国民の間に
嘘に基づく法制度があってはならない
 
統治する国と統治される国民
という関係は当たり前ではなく
両者に託された奇跡的なプロセスへの希望である
 
(2012年03月10日)
 
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かなり勢いで書いてしまったような気もいたしますが・・
cf.他の「理念・断片」の記事など・・失礼。