訴え
 
 
朝の光に砕かれ 
昼の陽射しに焦がされ 
夕の蓄熱に蒸されるとき 
何処かで屍が唸り 
病人が「もうか?」と 
寝返りを打つ 
 
水を浴びて溺れ 
油を浴びて膨れ 
粉を浴びて乾き 
火が燃え上がり 
燃えるものを崩してゆくが 
都合よく人々は 
落下しながら現状を喜ぶ 
 
炭の街に灰の人たちが 
眼と口を開閉して 
訴えようと水に向かうが 
水は遥か彼方で濡れることを忘れる 
 
 
(2013年08月18日)