一見簡単そうな問題は
答えがいっぱいあり過ぎて
答えが何個あるのか
数えて整理するのも一苦労
それで精一杯になってしまう
問題: n進法の3桁の整数について
ABC+CBA=DDD
ABCとDの解の組は何個あるでしょう。
解答例:
ABC
+ CBA
―――――――
DDD という問題
3桁の整数だから、A,C,D、は、0 ではない。
n進法だから、A,B,C,D、は、nより小さい。
A+C が、繰り上がるなら、4桁になるので、
A+C は、繰り上がらない。A+C=D
したがってC+A も繰り上がらないので、
B+B が、繰り上がると、下1桁目と3桁目が同じDにならないので、
B+B は、繰り上がらない。
ゆえに、2B=D
----------------以上を(1)とする。
まず十進法で考えてみる。(1)より、1~9を考えればよい。
A,B,C、が相異なる整数の場合、(1)より、2B=D=A+C からも、
(A-B)=(B-C) つまり、Bを中心に、AとCは等間隔。
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9
この中で、Bとなりうるのは、2,3,4、のみである。
(1,9、は、端なので、AとCが存在しない。
また、5以上は、2B=10以上になるので繰り上がってしまう。)
(ABC,D)=(123,4)、(321,4)、
(135,6)、(531,6)、(234,6)、(432,6)、
(147,8)、(741,8)、(246,8)、(642,8)、
(345,8)、(543,8)の12通り。
次に、A=B=C の場合、1,2,3,4 の4通り。
以上を足して、12+4=16個ということになる。---------------(10)
上を参考に、(1)を考えて、
ABC
+ CBA
―――――――
DDD という問題
n進法の場合を考える。n進法1桁の数は、nより小さい。
n進法で、nは、n進法表記では、10という2桁の整数。
n進法1桁の整数は、0を除けば、1から(n-1)まで。
Bが中心になるので、 n が偶数か奇数かに分ける。
n が偶数のとき、n/2 は、整数である。
A,B,C、が相異なる整数のとき、
1,2,3、・・・、(n/2-1)、n/2、・・・、(n-1)
Bとなりうるのは、
2 から (n/2-1)=(n-2)/2 まで。-----------------(2)
(n/2 以上は、2B=n 以上になるので繰り上がってしまう)
ABCの個数は、Bより小さい数、つまり左側にある整数の個数の和、
ただし、AとCは、入れ替え可能なので、その2倍になる。
ゆえに(2)より、2×(1+2+3+・・・+((n-2)/2-1))
=2×「シグマ(k=1から((n-2)/2-1)k」
=2×「シグマ(k=1から((n-4)/2)k」
=2×((n-4)/2)((n-4)/2+1)×(1/2)
=((n-4)/2)((n-2)/2)
=(n-4)(n-2)/4 ----------------------------------(3)
A=B=C の場合、
1から(n-2)/2 までの個数、すなわち、(n-2)/2 個。-----(4)
(3)と(4)を足して、
(n-4)(n-2)/4 +(n-2)/2
=((n-2)/2)((n-4)/2 +1)
=((n-2)/2)^2 と、平方数になる。---------------------(5)
n が奇数の場合、(n-1)/2 は、整数である。
1,2,3、・・・、(n-1)/2、(n+1)/2、・・・、(n-1)
Bとなりうるのは、2 から (n-1)/2 まで。------------------------(6)
((n+1)/2以上は、2B=nより大きくなるので繰り上がってしまう)
ABCの個数は、Bより小さい数、つまり左側にある整数の個数の和、
ただし、AとCは、入れ替え可能なので、その2倍になる。
ゆえに(2)より、2×(1+2+3+・・・+((n-1)/2-1))
=2×「シグマ(k=1から((n-1)/2-1)k」
=2×「シグマ(k=1から((n-3)/2)k」
=2×((n-3)/2)((n-3)/2+1)×(1/2)
=((n-3)/2)((n-1)/2)
=(n-3)(n-1)/4 ----------------------------------(7)
A=B=C の場合、
1から(n-1)/2 までの個数、すなわち、(n-1)/2 個。-----(8)
(7)と(8)を足して、
(n-3)(n-1)/4 +(n-1)/2
=((n-1)/2)((n-3)/2 +1)
=((n-1)/2)^2 と、平方数になる。---------------------(9)
まとめると、ABC、D の個数は、(5)と(9)より、
nが偶数のとき、((n-2)/2)^2
nが奇数のとき、((n-1)/2)^2
という結果でした。いずれも平方数になるようです。----以上(解答例)
なぜ平方数になるのかな?・・もっと簡単に?・・
検算として、十進法の場合、n=10 を
偶数なので、上の式に代入すると、
((10-2)/2)^2 = 4^2 =16
これは、上のほうの(10)の結果と一致する。
n進法1桁の整数は、0を除けば、1から(n-1)まで。
Bが中心になるので、 n が偶数か奇数かに分ける。
n が偶数のとき、n/2 は、整数である。
A,B,C、が相異なる整数のとき、
1,2,3、・・・、(n/2-1)、n/2、・・・、(n-1)
Bとなりうるのは、
2 から (n/2-1)=(n-2)/2 まで。-----------------(2)
(n/2 以上は、2B=n 以上になるので繰り上がってしまう)
ABCの個数は、Bより小さい数、つまり左側にある整数の個数の和、
ただし、AとCは、入れ替え可能なので、その2倍になる。
ゆえに(2)より、2×(1+2+3+・・・+((n-2)/2-1))
=2×「シグマ(k=1から((n-2)/2-1)k」
=2×「シグマ(k=1から((n-4)/2)k」
=2×((n-4)/2)((n-4)/2+1)×(1/2)
=((n-4)/2)((n-2)/2)
=(n-4)(n-2)/4 ----------------------------------(3)
A=B=C の場合、
1から(n-2)/2 までの個数、すなわち、(n-2)/2 個。-----(4)
(3)と(4)を足して、
(n-4)(n-2)/4 +(n-2)/2
=((n-2)/2)((n-4)/2 +1)
=((n-2)/2)^2 と、平方数になる。---------------------(5)
n が奇数の場合、(n-1)/2 は、整数である。
1,2,3、・・・、(n-1)/2、(n+1)/2、・・・、(n-1)
Bとなりうるのは、2 から (n-1)/2 まで。------------------------(6)
((n+1)/2以上は、2B=nより大きくなるので繰り上がってしまう)
ABCの個数は、Bより小さい数、つまり左側にある整数の個数の和、
ただし、AとCは、入れ替え可能なので、その2倍になる。
ゆえに(2)より、2×(1+2+3+・・・+((n-1)/2-1))
=2×「シグマ(k=1から((n-1)/2-1)k」
=2×「シグマ(k=1から((n-3)/2)k」
=2×((n-3)/2)((n-3)/2+1)×(1/2)
=((n-3)/2)((n-1)/2)
=(n-3)(n-1)/4 ----------------------------------(7)
A=B=C の場合、
1から(n-1)/2 までの個数、すなわち、(n-1)/2 個。-----(8)
(7)と(8)を足して、
(n-3)(n-1)/4 +(n-1)/2
=((n-1)/2)((n-3)/2 +1)
=((n-1)/2)^2 と、平方数になる。---------------------(9)
まとめると、ABC、D の個数は、(5)と(9)より、
nが偶数のとき、((n-2)/2)^2
nが奇数のとき、((n-1)/2)^2
という結果でした。いずれも平方数になるようです。----以上(解答例)
なぜ平方数になるのかな?・・もっと簡単に?・・
検算として、十進法の場合、n=10 を
偶数なので、上の式に代入すると、
((10-2)/2)^2 = 4^2 =16
これは、上のほうの(10)の結果と一致する。
ちなみに、2進法には解はなく、
実際に使われるのは聞いたことがないが、
3進法では、ABC=CBA=111、DDD=222 のみが解になるようです。
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もう少し分かりやすく、説明を試みてみると、
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もう少し分かりやすく、説明を試みてみると、
Bとなりうる最大の整数をNとすると、
Nは、nの2分の1より小さい整数の最大値ということになります。
nが偶数のときN=(n-2)/2、nが奇数のときN=(n-1)/2
A,B,C、が等間隔の異なる数値の場合、
Bは、2からNまでの数値を取り、それによってAとなりうる整数が決まり、
それによってCもDも決まるので、解が決まり、解の個数が決まります。
AまたはCの個数が解の個数になります。そして、
数えているのは、整数の数値ではなく、解となるAの個数だということです。


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勘違い計算間違いなどあるかもしれないので
アドバイスいただければ幸いです。
この1週間は1日1回のペースで更新・・珍しい・・
(2013年08月21日、同日若干修正)
(2013年08月22日、一部修正加筆)
(2013年08月23日、一部修正)
(2013年08月27日、図の一部修正)
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