不通
 
 
分かっていたはずだ
通じないこと
求めることの愚かさ
承知の上の徒労だったはずだ
 
初恋は嘘つきだった
 
青年はホルモン性の動物だった
 
中年は人工物以外の何物でもなかった
 
何を聞いても分からない
何を言っても分からない
 
垂れ流しばかりが見えて
どこまでも痛ましい
 
老いぼれは心と頭を焼き尽くし
悲鳴と憔悴の涙を干して
減らず口を切り取ってしまえばいいのに
 
焦点は定まるところがなく
語ることは虚しくて
説得も納得も異国語の
引き裂かれた自閉の攪乱
 
いつまで傷め続ければよいのか
 
 
(2013年09月01日)