無縁
 
 
どんなに誰かがうらやましくても
私は私でありたくて
どんなに痛いだけの生き方でも死に方でも
ほかの人生を選ぶことはない
ほかの誰かになりたくもない
 
誰とも縁がなくても
誰かと縁のある別の誰かになりたくはない
孤独にはそうなる必然があるのだろう
わけは分からないが
私が私としてその必然を持っているなら
ごまかして誰かと縁結びなんてことはあり得ない
 
それにしても21歳で
私の人生から消え去って音沙汰もない君を
年を取らないままの君を
まるで人形のような君を思い出して
私は時々もてあそんでいた
 
実際の君は年を取って
しわくちゃで小さいおばあちゃんの顔を
縁のあるいったい誰々に向けているのだろう
 
ときには私がそう考えても
君の人形をどうしたとしても構わないだろう
私がどういうふうに思い描いても
君は痛くも痒くもないのだから
 
 
(2014年01月10日)