母が介護施設から一時帰宅するとき 
やらかしてしまう近況的感慨ですが・・
 
 
  口喧嘩
 
 
声にした文字列の
約束事のような筋を通したつもりで
理解を得ようとすれば
解読できないコードのように暴走して
険しい崖を転げ落ちるように
のたうちまわる獣になってしまう
 
何なんだ・・少し言い過ぎたのか
・・と溜息をつきながら
 
帰っていくとき玄関で
「はよ帰れ・・」と小声で言うと
ふとどこから反応するのか
「なんね・・」と少し笑顔を見せる
 
狂気なのか
正気なのか
おかしいのか
まともなのか
どちらが・・?
 
傷を抉ったのち
琴線でもあるまいに
何か温もりに触れて
治まりの滴に和らぐ
 
ごわついたレザーなのか
やわらかいシルクなのか
 
関わりはいつも
撃刺と石打ちの地獄に落ちる危うさで
氷結と燃焼と 
虚脱と出血と 
破砕と修復と 
冷却と温熱と 
乾燥と湿潤と 
蒼白と充血と 
目まいと笑まいと
 
毒と手料理を繰り返す
 
 
(2014年06月14日)