妄想 (二)
 
 
人はあまりに妄りに思いを馳せるゆえ
周りを気遣って妄想同士が折り合いをつけて
個人の正気を装っている
 
それほど思想は千々に乱れるゆえ
人と人とが折り合いをつけるのは至難であり
久しく失敗を繰り返している
 
水浸しになっては沸騰し
熱して燃焼し重度の火傷に
怒り発すれば所構わず引き裂いて
血を噴き出し流しては
おろおろと包帯を巻くのである
 
小さく個別に
炭化した口を開け
流れ垂れ下がる真っ赤な舌と
泡の唾液が口角の補正を計り続ける間
 
大きく領国に
火山の噴火のように
また洪水の水勢のように
激情巡る大地の片隅に
四季の巡りのような穏やかな色彩を求めて
 
ほんの一部でも一致し
互いに近づこうとするのは
人類共通の涙ぐましい悲願である
 
 
(2014年08月17日)