低い人
 
 
低みを流れる風に吹かれて
川を眺める
緩やかな流れに揺らめく空の高み
あの青い風に吹かれたいのは
 
長い影をつくり
森を沈ませ
闇へと消してゆく
ひとときの
雲の縁を輝かせ
じりじりと焦がしていく
あの熱に焼かれたいのは
 
星の地図よりも星と星の間
小さな星を瞬かせ
夜の空をつくっている
黒い曲面よりも平坦な
深海よりも深い立体の
あの底の底へ旅したいのは
 
人ひとりの
喜びや悲しみも測れないでいて
忘れることも割れることも
地上で覚え育った
鏡よりも
低い

 
 
(1997年4月1日)
 
 
 
  拒否
 
 
特にこちらの具体的な言動や要求もないのに
「劣った人が依存している」と思われて
説教か忠告がましいことを言われたときの
見え見えの距離感に対する拒否の台詞
 
1.「二度と会うことのないように。何故って君は悪い人だから。」
 
 相手を悪と決めつけていて拒否が直接的すぎるから・・
 
2.「もう(私)二度と生まれてこないから。それでいいですか。」
   (必要なら繰り返す・・)
 
 この第一文は人間にとって一般的な事実である。
 第二文は確認を求めているだけ・・
 にもかかわらず、1.よりも強烈な崖っぷちの・・
 それだけしか言えないという、
 こちらが拒否するよりも、より低く、
 相手によって拒否されていることを訴える台詞・・
 
 
もう二度と生まれてこないから。それでいいですか。・・
 
 
(2014年08月31日、同日一部修正)