人生の目標
 
 
人生の目標とは何か
 
大好きな人とセックスをすることだ
 
これを卒業させてもらわないと
 
いかなる志も計画も
 
ベースに欲求不満があっては
 
どこか仮初になってしまい
 
天下国家や理想や信仰を語っても
 
子供が見る夢のような
 
お伽話の虚構性を帯びてくる
 
 
お伽話の虚構を追うことが
 
全くの徒労で無駄であるかどうか
 
それはまた別なのだが
 
 
(2014年09月21日)
 
 
 
  魔を引きずる
 
 
男は一本のナイフを女に渡す
女が両手でナイフの柄を持ったとき
男はナイフを両手で固く
女の両手の上から握り締め
自らの胸に向ける
「これで完璧だね」
そう言って突き鮮血を浴びせる
ナイフの柄に残った指紋のために
女は法によって裁かれ
男は神によって裁かれる
 
男は再会した女と
公園のベンチに腰掛け
年相応の女の顔に
紛れもなく昔の面影を見ている
家族の話などをする
作り話はしない
男は自らの不幸と幸福について
女が心配しない程度に話す
耐える以上に
 
フェリーの甲板で再会した女は聞く
今何をしているの?
いや何も・・・
何もしていない
今どこにいるの?
いやどこにも・・・
どこにもいない
何かあったの?
いや何も・・・誰にも・・・
あったことはない
何もない
そうして男は何も答えず問わず
階段を下りてゆき
再び戻ってくることもない
 
時に甦(よみがえ)る
肉体があるばかりに
倍の苦しみを味わった日々
どす黒い闇の中には鬼がいるとはいえ
さして暗くも熱くも痛くもなく
出口のない虚構の心室を転がりながら
今は一見単調に壁を硬化させてゆく
 
 
(1998年5月22日)
昔、書いた失恋男の怨み節・・フィクションです
 
 
 
(・・殺伐としてきたので・・
おまけの蛇足として、最近
テレビの俳句教室みたいなのを見ていて
書いた拙作ですが・・)
 
(山上からの雲海の写真を見て)
 
   登り来て 雲海の上の 民となり 
 
(夕方の月と海の写真を見て)
 
   夕 和して パラオの月と 物語り 
 
       (パラオの国旗はきれいだと思います)
 
(秋の稲刈りの風景の写真を見て)
 
   居並びて 飯を食いたし 秋の田に 
 
 
(2014年09月21日、アップ)
(2014年09月25日、漢字間違い修正)