アップ・ダウン
 
 
時もなければ広がりもないような
分散処理された窓を集めて
数えられた人を見ている
 
もっとキラキラしたいのに
約束事のルールブックに曲がりくねって
拘束を啄むことで
淀み
そして
荒れる
 
停滞も暴走も自由すぎて
完結はおろか経過する暇もない
 
過ぎゆくものの欠片を拾い
一見の価値を問い
災いを案じている
 
今日も血と涙の体温を
丁寧に砕いては乗せる緩い線上が
無慈悲な凍結へのささやかな抵抗だ
 
 
(2014年09月28日)
(2014年10月03日、一部修正)
 
 
 
  バラバラになって (再録)
 
奇妙なやつだ
死んでいるはずなのに
バラバラになって
半分焼け焦げた肉片が
あちこちに転がっている
黒焦げになったのや
まだくすぶっているのもある
口と鼻の一部が
瓦礫の上に斜めに傾いたまま
少し離れて片方は飛び出した眼球から
原形をとどめない髪の頭部までが
逆さになって
言い残したことでもあったのか
唇はしきりに動かしているし
目はキョロキョロとあたりを見回したり
時々こちらを見ている
声にならないので何を言っているのかわからないが
むごたらしさ以外の何かを
伝えようとしているように思えてくる
ひょっとしたら彼も
隣に転がっている私を何か言いたげな
妙なやつだと不思議がっているのかもしれぬ
誰かが私を持ち上げた
天と地が大きく回った
 
反応がない
周りの人たち
口を動かし声を出そうとするのだが
出てないらしい
ドーンと
音と衝撃のようなものがあって・・・
そこまでしか覚えていない
ライトはやけに明るいが
もともと暗い部屋だなここは
胴体と手足を並べている人
その足首は違うよ
私のじゃない
気づいたらしくどこかへ持っていった
別の人はしげしげと眺めては何か書いている
皮膚や肉を切り取ってガラスの皿やビンに入れながら
話しあっている別の人たち
メスを入れるのか痛くはないが
幾人かは書類を持ってすでに去った
やがてライトが消され
カバーをかける一人を残して皆去って行く
とても暗いよ
ちょっと待ってもらえないかな
まだあるんだ言いたいこと
たくさん持って私ここに
まだ・・・ある・・・のに
 
 
(96年、またはそれ以前)