信条
 
 
結論以外何も語ってはいないのに
柔らかく聞かせる語り口は
静かに思考を眠らせる
 
明らかに欠落があるのだが
教え諭すような優しさに
異を唱える口は均されてゆく
 
長年にわたって自らも染まりながら
培われたプロの説法の知恵であろう
 
積極的に考えない限り
内容の薄い常套句が
無抵抗に染みてゆくように出来ている
 
思慮の浅瀬で
弛んだ感性の隙間から深く奥へ
 
溶解することもなく
分解されることもなく
骨格に似せた石灰質が
選択と判断の
関節の可動域をなくしてゆく
 
信条は句読の戒律
「既知の神」の偶像を固めてゆくプロトコルだ
 
命を救うほどに新鮮だった活性は
水辺の葦ほどにも戻っては来ないのだろうか
 
 
(2014年10月27日)