喪失(2)
 
 
慰めの片言さえ失うだろう
呂律の解釈が生類に先立って
あらゆる力を失うように
道具という道具が既にへし折られたように
 
廃物になれば静かになるだろう
廃物に向かっても静かになってくるだろう
ボールはころころと小さく堂を巡り
振動は震えに変わって
支柱は横たわったまま
 
部屋に止まったままの勾配があり
片付けられた跡があり
しかしすべては腐っている
臭いが死んでいるのだ
 
遠くで信条が怒張しているが
人はそれを優しいと言い
指さす何ものもなく
繰り返してきた偏見を塗って楽しむだろう
 
命の公式を語る口は毛深く
あちこちに紙屑を詰めて営み
先見は獣よりも拙劣だが
あり得ない未来を鼻先で語って
酩酊の落とし前の
押し付け先を探っている
 
無謬の洗礼を自らに施し
蓄えたものは価値あるものと
吹いて回る至る所に
警告の刀剣は錆びた割礼を施し
ジュークボックスはポップな溝を踏み外す
 
テーブルの上にループが飾られ
逆さ張り付けの聖者の周りで
縫合の糸を掛けては切って
枝の使命を果たした祝宴を開いて
幼子にへつらいを教える
 
人はそのようにも
発狂する縁(よすが)を求め
二次元の格子を漁って
喪失の落差をたどるほど
動かない地上を欲していたのか
 
難を逃れた脱臼の因果律は
気づくことも気づかれることもなく
往復路しか持たない道具の口径に
持ち主を失う行程をなぞっている
 
 
(2015年03月26日、同日一部修正)