慣性系
 
 
善いと信じたことを善いと言われれば
つまらなさそうに頷くしかない社交は
善さを伝えたつもりで実は
つまらなさを伝えているだけだ
 
伝えた風味だけで
問いがなく答えだけを繰り返すのは
実際は問いにも答えにもなっておらず
人を巻き添えにする迷惑だ
 
問いを共有しなければ
答えを共有することはない
 
人はいつも双方向を切望しているのです
 
単方向の迷惑は
それが双方向の場で行われることだ
さらに単方向の迷惑は
双方向を装うことだ
 
あらゆる迷惑は
人よりも自分が優って正しいから
発信するのは当然の使命という傲慢が
見え隠れしていることだ
 
違う意見の存在を認めて求めて
修正の懐を人は残しておくべきなのです
 
問答無用の精神の快楽欲求を
発信している単方向は
自らの悟りの自己顕示を礼賛せよと
他者に水を引っかけ
自らに油を注いでいる
 
人は心の慣性系にあって
刺激がなくて停滞することのないように
鱗だらけの生き物にならないために
出会うという運びがあるのでしょう
 
波風を立てないで
どうして動かすことが出来ようか
どうして変わることが出来ようか
どうして成長することが出来ようか
 
人は揺さぶられて初めて動くのです
 
 
(2015年03月28日、同日一部修正)