当たり前 (2)
 
 
当たり前と言うために
当たり前をたくさん背負って
当たり前の国へ行く人々
 
当たり前が当たり前に
当たり前でなく
感動と救いを与えると信じ込んで
 
それは思慮を怠ることなのだが
 
当たり前は曲者なのだが
 
当たり前は偶然を
当たり前は幸運を
当たり前の導きとして
当たり前に感謝する
 
それは思い上がりなのだが
 
人ひとりの道も
当たり前に明け渡したから
人を知ろうとしない固体になって
すぐ近くにある悲しみを
人間として悲しめなくなって
悲しめないことを救いだと思って
既成の当たり前を暗号のように繰り返す
 
共感と思いやりを込めそこなって
 
当たり前をその度に持ち出して
振り回しても
心を病むだけで追いつかない
 
当たり前を誰がどのように作ってきたか
時々の台詞と処し方について
考えるなら
導きを当たり前などと感じたりしない
そこで当たり前の国を出られるだろう
 
何でも当たり前に感謝するのが当たり前ではなく
 
今息を吸っている
これさえ当たり前ではないということを
 
信仰者も非信仰者も
本当に感謝できる日のために
 
 
(2016年01月25日、同日一部修正)
 
怠る(おこたる)
曲者(くせもの)
台詞(せりふ)