恐れよ
 
 
懲らしめる神を信じていない者が多い
 
神への畏れは
ときに神への
震えるほどの恐れである
 
畏み敬い讃える神への信仰は
いずれ神の恐ろしさを忘れる
 
神に比べれば
私たちは一本の髪の毛のようなものだ
 
天と地を造り
人を造った神は
人を滅ぼすことなど造作もないはずだ
 
神は
人を滅ぼさないと言ったか
 
救いの条件としての
滅ぼさない約束は
神を信じる限りにおいてだ
 
神は
その民を殺さなかったか
 
聖書を読めばそうではない
 
人はいつも正しい信仰を持っているか
 
聖書を読み
人を見ればそうではない
 
人が神に背く
これは古きより人の属性である
 
ゆえに人は反逆の民である
 
神は人に何をせよと
その都度に語ることをしない
かつ
人は何をするかを
大方自分で判断している
 
ゆえに人は反逆の民である
 
背かぬことより
背いたときに気づくことが大事だ
 
ゆえに人は信仰において
いかなる麗しき平安も
言葉によって固定できると思ってはいけない
 
決して人の自在の所有にはならない
という最たるものが信仰である
 
神の名をみだりに唱えてはならないとはこのことである
 
信仰の節操とはこのことであり
 
まさにこの弁えがあるかぎり
信仰の救いに与るに必要十分であり
これがなければ信仰は成り立たないということだろう
 
神の名を唱えて
神を優しい父とだけ信じる信仰の平安は
何をしても救われるという自分信仰に陥りやすい
 
懲らしめる神を信じないで
愛してくれる神だけを信じるのは
神の全能を人が限定する行為だ
 
恵みには試練を
愛には戒めを
反逆には懲らしめを
どちらも受けて学び生きて成長するのが信仰である
 
懲らしめる神を信じなくなりやすいのは
むしろ人の属性であり
 
信仰は人の自在とならないことだから
神も信仰も決めつけてはいけない
私たちは
神を理解したからではなく
ただ神への思いによって生きている
 
反逆の民であることを心得ず
悔い改めを覚えずに
取り違えて
神の名によって偽善と悪を働くことにならないために
 
悔い改めることのできる人間でありたい
 
パリサイ人の讃美の祈りより
取税人の赦しを乞う祈りのほうが義とされるのは
まさにこのことである
 
私たちは取税人と同じように赦されたい
 
最後には祈りしかないが
神と人の違いを弁えたいからだ
 
私たちはパリサイ人のように悔い改めない反逆の民ではなく
取税人のように悔い改めて赦されたいからだ
 
 
(2016年06月30日)
 
懲らしめる(こらしめる)
畏れ(おそれ)
恐れ(おそれ)
畏む(かしこむ)
敬う(うやまう)
讃える(たたえる)
与る(あずかる)
 
 
 
   不信仰告白
      (キリスト以外の
      神を知らない)
 
私は一本の髪の毛を
恐る恐る
火にかざしてみるのだ
 
 誰が神を
 神と名付けたか
 誰がやさしい父を呼ぶように
 神を呼んだか
 流された夥しい血を
 皿の上の相づちで受けながら
 誰が気安く許される
 罪を認めたのか
 
私は生きるのに向かない
私は宗教に向かない
私は神の国に向かない
私は神を知らない
私は主に仕える水の泡である
 
 
(96年、またはそれ以前、再録)