カルト
 
 
ここでは、単に新興宗教という意味ではなく、邪悪なカルトという意味で書いています。伝統宗教の中からも生まれてきます。
 
カルトは、奇想天外な妄想的な主張をもって、いつも目立って豪語している者たち、ということではなく、しっかり伝統宗教と呼ばれる者の中に住んでいて、内心では自分に従えと豪語したい欲求を持っている者たちも含みます。
 
邪悪なカルト、あるいはその芽は、人間らしい感情を、ひたすら、捨て去ることを志向し目的としているということです。
 
例えば、悲しみへの共感、慈愛に満ちた温かい心、そういったものを持たないか無視して、それどころではない、もっと大事な真理を知れ、と言いたくてたまらない欲求を持っているのです。そして、おおよそ、人間という存在を、情感をもって考えることの出来ないような教条の理屈をもって人を誘う用意をしているでしょう。
 
伝統宗教は、カルトとは無縁だというのは、とんでもないことです。まさに、その伝統宗教の衣をまとって宗教の前線に出たがっているのが、邪悪なカルトなのです。
 
カルトと、良心的な宗教を区別する方法は、カルトの人間離れ、そして人としての身の程を知らぬ神がかりを、見つけること以外にはありません。
 
キリストは、人間の、人間らしい心に反応し、また、働きかけてくださいます。そのことは聖書において明らかです。
 
しかし、邪悪なカルトは、そこを区別がつきにくいように曲げてくるのです。その際に使われるのが、讃美の連打と、うわべだけ丁寧な言葉面なのです。
 
キリストを熱心に信じている者の中で、キリストを熱心に決めつけている者がいて、最も見分けの付きにくいカルトの根っこになっていることがあります。
 
区別する方法は、一言でいえば、信仰の熱心さではなく、信条の正しさでもなく、ただ修正可能であるかどうかの一点になるでしょう。それは、そのまま、悔い改める心があるかどうかに、つながってくるからです。
 
神のもとにあっても信仰者は不完全な人間ですから、間違いを犯す可能性を認めて、成長したいのであれば、修正可能を重んじるはずです。それを不必要と思っていることは、カルトの可能性が強いのです。
 
丁寧で優しい、この態度に安心しないでください。邪悪なカルトも処世術として似たような態度を、うわべだけ身につけています。
 
さらに邪悪なカルトが、こう言っとけば間違いないと思っている処世は、前にも述べましたが、ひたすら神を讃美することです。
 
神を誉めまくることの不自然さを知ってほしいです。利害において関係ないと思うから、負担がないから、邪悪なカルトは誉めちぎることが出来るのです。邪悪なカルトは、どうせ神は、この世とは関係ないと思っている気安さだから大仰に讃美します。そして、そこが、信仰としては、致命的な欠点でもあります。
 
邪悪なカルトの特徴:
1.人間離れ、神がかり、現実離れ、夢物語、超常志向、などを好む。
2.修正不能、訂正不能。ゆえに、不感不応、そして不変という主張。
3.気安い真理への道、誰でも信じれば分かると言う。
4.人間の温もりとは関係のない辻褄合わせ。啓示や聖霊、など超常を持ち出してくる。
5.信じることの忍耐を、あらゆることについて無条件に無根拠に説く。
6.最後には、ただ信じよ、信じないと滅びる、と脅迫する。
7.死もやむなし、というような、破滅的な末路を預言または暗示する。
 
 
なお、最近話題になることの多いスピリチュアルと呼ばれるものについて、伝統宗教は何を言えるだろうと考えてみると、人間の中で霊感の強いとされる人がいることを宗教は否定する根拠を持たないということが一つと、キリスト信仰の立場から言えば、人間性というものについて、どれだけ大切にしているかという点だけが関心事となるだろう。
 
超常のことについてどれだけ語られても、それがキリスト教内部で話題となっても、人間にとっては、超常を支配できないのだから、根源的には生き方を左右することではない。そういう超常に左右されるような救いは、人の手に負えないことであって、どれだけ有益そうな超常であっても、人間性に密着していなければ、それは言葉で飾ることと変わりはないのである。
 
何故なら、人間の存在と尊厳と、その情感や思想といった内実だけが、人間にとって、考えるべき、また、考えられる、そして、考えるに値する問題だからである。
 
 
知らないことについて見栄を張って、知ったかぶりをして保身に走るのではなく、知らないことについては何を言われても、おふざけではなく、阿呆になれる人間は、信頼できると思います。自分のプライド、つまり自尊心のために、出てきている人ではないからです。阿呆になれる、という性質は、誰とでも共感関係を作る可能性を持っている、という点で、広い器なのです。
 
 
(2018年01月31日)
 
誉める(ほめる、褒める)
阿保(あほ、あほう)
 
 
 
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