この地上に3
 
この歳になると、生きることより、
死について考えることのほうが多いです。
 
 
私の魂のふるさとは
この地上にはありません
と言いたくなるとき
それは信仰者として
真実でもあるのだが
一方で
逃避なのかもしれない。
 
人というのは生涯
演技し続ける動物のようだ
恥ずかしくないように
少しでもきれいに見えるように
嫌われないように?
 
そういう演技は正当で
普通なのかもしれないが
過ぎれば
「世間体」大明神とか
「体裁」大権現とか崇拝にもなりうる。
 
自分というものをしっかり持って
という「しっかり」の基準は分かりにくい。
自分を信じて
という「信じて」は
責任の自覚か
努力と実績に裏打ちされた自惚れ
つまり自信だろうか。
 
世間体も体裁も
人間関係も幸福も捨てて
真理や真実を追究して
心を病んで
傍目には
自滅的な人生を歩んだ幾人かの
哲学者、数学者、文学者、詩人などの
名を思い起こすのだが
 
私の魂のふるさとは
この地上にはありません
と言いたくなるとき
そういう質を持ってしまった者が
反社会的ではなくても
非社会的になって自閉して
ただ一度だけ
逃避が許される最後の時を
待っている人であるなら
 
幾人かの名と違って
自分は志よりも病が先なのか
いつまで社会人でありえたのか
と風景のように遠い人々を
遠い社会と世界を
ぼんやりとした意識の向こうに眺めている
 
想うところに
以上のように想うところに
いちばん知っているつもりで
いちばん知らない自分は
むしろ、いて欲しくないのかもしれない
しかし、いて欲しいのかもしれない
何故なら、生まれてきたから
 
なぜなら
死は、人が与えられた時間の限りであり
神様が生も死も定めておられるなら
神様が人に
地上にいてほしい時間の限りである。
 
すなわち死は
神が定めた日に実行されるもので
 
人は死を祝福できないけれど、
死は、有限な地上に生きるものの定めであり、
 
その意義も理由も、神のみがご存知だからであります。
 
あえて言うなら、
人が人の責任を初めて逃れて
神の懐(ふところ)に帰ることです。
 
 
祈り
「主よ、この失敗だらけのまま至った老境に、慰めはありましょうか。」
 
 
※ 
 
信仰者は、信仰によって善と義の完全な人になるのではありません。
 
義人は、いません。人は、善も義も、生き方として無理だと知るのが信仰です。
 
信仰者も、罪人であることに変わりはありません。
 
善と義は、神のみが知るものです。
 
信仰者は、悔い改めによって、反省し、学習し、成長する人間になるのです。
 
神の前に、人が、正直な祈りを捧げることによって可能となります。
 
神は、その祈りを待っておられるのです。
 
人に出来ることとして、聖書は、それだけを語っています。
 
 
地上を生きて

地上を生きて
 
 
(2011年04月30日)
(2021年02月02日、一部加筆)
(2022年02月07日、再録+)
 
 
 
  低い人
 
低みを流れる風に吹かれて
川を眺める
緩やかな流れに揺らめく空の高み
あの青い風に吹かれたいのは
 
長い影をつくり
森を沈ませ
闇へと消してゆく
ひとときの
雲の縁を輝かせ
じりじりと焦がしていく
あの熱に焼かれたいのは
 
星の地図よりも星と星の間
小さな星を瞬かせ
夜の空をつくっている
黒い曲面よりも平坦な
深海よりも深い立体の
あの底の底へ旅したいのは
 
人ひとりの
喜びや悲しみも測れないでいて
忘れることも割れることも
地上で覚え育った
鏡よりも
低い
 
 
 
楽山日記へのコメント再録 ( 1.が誰のコメントかは不明 )
1. 隆くんへ 2019年07月26日 22:53(抜粋)
「間違ったら誤ったら素直に詫びて自分正さなくちゃいけない」「それが出来て初めて人間だと それ出来ないなら人ではないと」「嘘ばかり重ねる君よ 保身だけの卑怯者の君よ そんな君は魅力の欠片もないのに」「失敗した君は 大きな過ちを犯した君は 最大限の償いと最大限の反省と共に 開いた出店を畳むしかないんだよ」「人間で在り続けるのなら 人で在り続けるのなら」
2. 楽山(自由) 2019年07月27日 09:13
反省、謝罪は大事なことだと分かってても、これを実践するのは難しいんだよなあ。恥ずかしながら、自分もそんな風です。これも一種の、人間の性なんでしょうかね。
 
 
嘘吐きは、結局、自分がばらまいた嘘の実を収穫することになります。何を言っても信じてもらえないということです。基本的な信頼関係が成り立たなくなって、また、嘘を吐き、しまいには、嘘と真実の区別がつかなくなって、独り言の三文芝居が人生の喜怒哀楽になってしまうのです。
 
 
 
私の「ウソの国ー詩と宗教」ブログ:
 
(古い記事は載っていません)
 
http://st5402jp.livedoor.blog/
(古い記事もインポート済み)
 
(ここは、ブログ記事をリンク)
 
 
にほんブログ村 ポエムブログ 暗い詩へ(文字をクリック)]
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ(文字をクリック)]
 
ブログランキング