ウソの国-詩と宗教:st5402jp

キリスト信仰、カルト批判、詩のようなもの、思想・理念、数学・図形、などを書いています。

2010年09月


  こぴぺ
 
つめたくなでられる
ネガになる
みやすい
やすやすと
きえる
あらわれる
けされる
はられる
もどせる
としをとらない
でんし
おぼえる
わすれる
としをとる
ひと
ネガになる
もどせない
きかない もう・・・
フリーズ
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しょうもない練習日記。最近は新作、書けません。
それにしても
年寄りは視力が悪い。
文字がやや薄いんじゃないか。ずっと思っていたら、
はっきりした黒に変えられることが今頃わかった。
年寄りは気づきが遅い。
 
 


  色褪(あ)せる死
 
よほど悲惨な死に方は別として
近づいてくる当たり前の死

年を取れば取るほどに
死は近づいてくるのだが
年を取れば取るほどに
死は悲しまれなくなり
死の色合いは薄れてゆく
よほど特殊な事情は別として
同世代の高齢者が
畳の上で死んだとき
号泣(ごうきゅう)する友人は少ない

先に逝っちまったか
次は自分か
そのうち自分も
みたいな共有される平板の上を
ひとりひとりの褪色(たいしょく)が包んでゆく

年を経れば経るほどに
誰もが忘れる頃
ある日ふと

いないんだった
もういないんだ
な・・・
どこかの深い深い洞穴(どうけつ)から
短すぎて呼べない季節のように
少しだけ身に迫る
冷気の蒼(あお)い風のひととき
 
(1999年10月13日)
 
 
  黒い土
 
やっと見つけた黒い土を
しばらく見つめたのち
手に掬(すく)って
握りすぎて指の間からこぼれないように
持って帰って鉢(はち)に入れた
何も植えずに毎日水をかけた
ときどきは目を閉じて触ってもみた
日光に明るく照らされて土
寒い季節が終わる頃
知らない小さな芽を出してきた
未熟な緑
切り取らず
切り取られず
踏み付けず
踏み付けられず今度は
たくましく生きられたらと
語りかけた芽の下に
古い友人が眠っている
 
(1997年2月22日)
 
 

イメージ 1
阿蘇の朝、朝霧が上ってゆく頃

  冷たい風
 
冷たい風
動かぬ山
火の国の 火の山
ときに山肌の色を変えて
煙と雲の向こうに
命を生む太陽
命を奪う太陽
 
冷たい風
動かぬビル
人の国の 人の山
ときに人々の顔色を変えて
雑踏と騒音の向こうに
命を生むシステム
命を奪うシステム
 
冷たい風
ふらつく私
私の国の ウソの山
ときに人々の顔色におびえて
心と体の中に
明日を生む命
明日を奪う命
 
 
イメージ 2
 阿蘇外輪山の草原に咲いていた花

  阿蘇
 
遠く巨大な連山を前に
近くの野原で
小さく うずくまる影は
空の まぶしく
しみるような青さに
ますます小さい命を
誰に見せることもなく
緑の中に 抱かれながら
秘密のように お伽話も
音も届かないところで
舞う草と風に吹かれている
 
イメージ 3
外輪山の内側の端のほうで阿蘇と空を眺める


  紙Ⅳ・白い紙
 
机の 上に 白い 紙
 
頭の 中に 白い 炎
 
心の 中に 白い 夜
 
プランクトンの 海
 
(1996年11月18日)
 
 
  世捨て人の
 
世捨て人の夢見るものは
虚無のやさしさで
無為の速度で
自棄の靴紐を絡め
退廃の旅支度を過ごし
厭世の渡し舟を待ちながら
絶望の気道を開いて
暗黒の呼気を促し
怒気の吐息を拾い
悪意の杭を抜いて
憎悪の河に流して
せめて見送れるだけ見送ることだ
 
(1996年11月19日)
 
 
 


  眠りの音信
 
別れて久しく
音信も途絶えた人が
見知らぬ地にて永眠するとき
揮発のアンダーグラウンドに
泡沫(うたかた)の
嘗(かつ)ての縁(えにし)
は胸に巣くう鬼畜を眠らせ
血腥(ちなまぐさ)い流れを冷水に
冷水を雫(しずく)に
そして雫が形を失うとき
二つの問いを残すのです
「俺はそんなに悪かったか」
「水さえも永遠ではない」
契(ちぎ)りもなくて罪に濡れ
柵(しがらみ)を越えるよりも先に
冷たく遠く離れ去って
眠り続ける土塊(つちくれ)深く
失われゆく形骸は
永遠の水を求めて
地上からの吸引に逆らうでしょうか
 
(1999年06月29日)
 
 
  飛んでけ
 
喧嘩の最中
強い方に頷(うなづ)きました
自分が嫌になりました
人に頼み事
愛想笑い
相手も笑いかけて
すぐに真顔
友人を作れなかった瞬間です
自分が嫌になりました
喧嘩には近寄らず
人々から離れて
滅多に笑うこともない
明け暮れ

でもなくて
ひゃんひゃん
と張り裂けそうな
笑い声か泣き声か
外へ出したら
おしまいです
鳥肌
外へ出たら
はじまりです
裸で風切って飛んでけ
 
(1999年06月11日)
 
 
  ホーム・レス
 
ホームレスの男が一人
夜の闇が上にあるような
眠らない街を探す
眠るために
今日一日何をしてきたのか
(何もしない日など無いのだ)
罪は許されないのだろうか
と半(なか)ば諦(あきら)めて
ホームレスの男が一人
眠らない街を彷徨(さまよ)い
やがて横たわる
再び目覚める保証はないが
夜の闇は
そっとカウンターを0(ゼロ)に戻す
 
家に閉じこもる男が一人
明かりを点(つ)けたまま
夜に包まれた部屋の中を徘徊する
何もしない日など無い
罪は許されないのだろうか
と諦めきれずに
目覚めの期待を
狭い懐(ふところ)に隠して
やがて眠るために
家に閉じこもる男が一人
明かりを消す
逃(のが)れようがない
いつか闇がカウンターを
そっくり消し去ることから
 
(1999年07月13日)
 
 
 

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