通い路
私は最後に何か
いちばん伝えたいことを
ひとつだけ書いておきたいと思う
それは無知の妄想に過ぎないかもしれない
それが何かも未だ分からず
何も達成されてはいないけれど
誤解であったとしても
ごく少数の人であっても
誰かの記憶に残り
その人が生きているあいだ
私ではなく私の伝えたことが
生きていてくれればと願っているらしい
人の命は儚い
なのに悩みはあまりにも多く
生きているあいだ尽きることがない
私には負えないことばかりの中で
誰かに続けて欲しい願いが
やはりあるのだろう
もう狭くなって遅くなって
遠くなってしまった通い路だが
そんなことを考えている
急に秋になった日々
(2011年09月24日)