ウソの国-詩と宗教:st5402jp

キリスト信仰、カルト批判、詩のようなもの、思想・理念、数学・図形、などを書いています。

2014年09月

 
  アップ・ダウン
 
 
時もなければ広がりもないような
分散処理された窓を集めて
数えられた人を見ている
 
もっとキラキラしたいのに
約束事のルールブックに曲がりくねって
拘束を啄むことで
淀み
そして
荒れる
 
停滞も暴走も自由すぎて
完結はおろか経過する暇もない
 
過ぎゆくものの欠片を拾い
一見の価値を問い
災いを案じている
 
今日も血と涙の体温を
丁寧に砕いては乗せる緩い線上が
無慈悲な凍結へのささやかな抵抗だ
 
 
(2014年09月28日)
(2014年10月03日、一部修正)
 
 
 
  バラバラになって (再録)
 
奇妙なやつだ
死んでいるはずなのに
バラバラになって
半分焼け焦げた肉片が
あちこちに転がっている
黒焦げになったのや
まだくすぶっているのもある
口と鼻の一部が
瓦礫の上に斜めに傾いたまま
少し離れて片方は飛び出した眼球から
原形をとどめない髪の頭部までが
逆さになって
言い残したことでもあったのか
唇はしきりに動かしているし
目はキョロキョロとあたりを見回したり
時々こちらを見ている
声にならないので何を言っているのかわからないが
むごたらしさ以外の何かを
伝えようとしているように思えてくる
ひょっとしたら彼も
隣に転がっている私を何か言いたげな
妙なやつだと不思議がっているのかもしれぬ
誰かが私を持ち上げた
天と地が大きく回った
 
反応がない
周りの人たち
口を動かし声を出そうとするのだが
出てないらしい
ドーンと
音と衝撃のようなものがあって・・・
そこまでしか覚えていない
ライトはやけに明るいが
もともと暗い部屋だなここは
胴体と手足を並べている人
その足首は違うよ
私のじゃない
気づいたらしくどこかへ持っていった
別の人はしげしげと眺めては何か書いている
皮膚や肉を切り取ってガラスの皿やビンに入れながら
話しあっている別の人たち
メスを入れるのか痛くはないが
幾人かは書類を持ってすでに去った
やがてライトが消され
カバーをかける一人を残して皆去って行く
とても暗いよ
ちょっと待ってもらえないかな
まだあるんだ言いたいこと
たくさん持って私ここに
まだ・・・ある・・・のに
 
 
(96年、またはそれ以前)
 
 
 
 

 
  現状
 
 
世辞でも世事でもなく
現状をそのまま受け入れられる人は少ないだろう 
現状は不満と葛藤に満ちている
というほうがむしろ健全だ
 
いつからだろう 
人間にとって
個人にとって
それとも本質なのだろうか
 
現状を受け入れることが出来ない 
どうありたいとも
どうありうるとも言えないが
 
現状はそのまま私自身なのだが 
既に受け入れているに等しい私自身なのだが
 
 
(2014年09月24日)
 
 
 
  あきらめの位置
 
 
椅子(いす)が整然と並んでいる
時が整然と用意されている
通路が決められている
公共という 
セレモニーといったりもする
日常という名前さえある
 
うめ尽くされた場所に
自分だけの
位置を見つけるのは大変だ
ゆっくりしか動けないのに
せかされて
つい言ってしまう
いいよ それでも
 
そうして今ここにいる 
長い廊下を歩いた後のような倦怠
帰ってきたのか
行かないでいるのか
そのままでいるのか
椅子もなく
位置もなく
時間もなく
何という
うすい関わり
 
たくさんの人がいる
関わる人がどれほどいる?
関わる人がどれほど関わっている?
やがてあたりに誰もいなくなったら
いつかせかされることもなくなったら
独りで言うだろうか
いいんだ これで
 
 
(96年、またはそれ以前)
 
 
 
 

 
  人生の目標
 
 
人生の目標とは何か
 
大好きな人とセックスをすることだ
 
これを卒業させてもらわないと
 
いかなる志も計画も
 
ベースに欲求不満があっては
 
どこか仮初になってしまい
 
天下国家や理想や信仰を語っても
 
子供が見る夢のような
 
お伽話の虚構性を帯びてくる
 
 
お伽話の虚構を追うことが
 
全くの徒労で無駄であるかどうか
 
それはまた別なのだが
 
 
(2014年09月21日)
 
 
 
  魔を引きずる
 
 
男は一本のナイフを女に渡す
女が両手でナイフの柄を持ったとき
男はナイフを両手で固く
女の両手の上から握り締め
自らの胸に向ける
「これで完璧だね」
そう言って突き鮮血を浴びせる
ナイフの柄に残った指紋のために
女は法によって裁かれ
男は神によって裁かれる
 
男は再会した女と
公園のベンチに腰掛け
年相応の女の顔に
紛れもなく昔の面影を見ている
家族の話などをする
作り話はしない
男は自らの不幸と幸福について
女が心配しない程度に話す
耐える以上に
 
フェリーの甲板で再会した女は聞く
今何をしているの?
いや何も・・・
何もしていない
今どこにいるの?
いやどこにも・・・
どこにもいない
何かあったの?
いや何も・・・誰にも・・・
あったことはない
何もない
そうして男は何も答えず問わず
階段を下りてゆき
再び戻ってくることもない
 
時に甦(よみがえ)る
肉体があるばかりに
倍の苦しみを味わった日々
どす黒い闇の中には鬼がいるとはいえ
さして暗くも熱くも痛くもなく
出口のない虚構の心室を転がりながら
今は一見単調に壁を硬化させてゆく
 
 
(1998年5月22日)
昔、書いた失恋男の怨み節・・フィクションです
 
 
 
(・・殺伐としてきたので・・
おまけの蛇足として、最近
テレビの俳句教室みたいなのを見ていて
書いた拙作ですが・・)
 
(山上からの雲海の写真を見て)
 
   登り来て 雲海の上の 民となり 
 
(夕方の月と海の写真を見て)
 
   夕 和して パラオの月と 物語り 
 
       (パラオの国旗はきれいだと思います)
 
(秋の稲刈りの風景の写真を見て)
 
   居並びて 飯を食いたし 秋の田に 
 
 
(2014年09月21日、アップ)
(2014年09月25日、漢字間違い修正)
 
 
 
 

 
  頓
 
 
どれだけが破滅を願っているか
銀河を水滴に流した負の微笑が
ノートブックの行間から帰って来ない
 
並列の顔をした業務上のベアリングに
水密の回覧板は拡散を知らないまま
末端から消えてゆく回路に仕えている
 
いつになくありもしなかった昔が懐かしくて
ふところがあったかいよ
世紀の始まりに崖っぷちを宿すなんて
 
どれだけが重心を外れて
悲鳴を上げる直前の息で止まっているのか
抗うことが促している世界で
 
 
(2014年09月17日)
 
 
 
 

政治家でも専門家でもないのに・・メモ的に・・
 
 
  政治家と専門家
 
 
あらゆる学問に
一つの特定の分野を掘り下げて研究する人
つまり専門家がいる 
しかし政治に専門家はいない 
いてはならない
 
政治家は何れかの専門家という一面を持っているのだろう
・・政治学、経済学、社会学、理系も含めて色々・・
しかし
政治は国と国民と国際社会など
あげれば切りがないくらい課題が多岐にわたり
・・というより全般になり・・
一つの分野を追究するわけではない
 
政治という特定の分野は存在しない
 
ゆえに政治家は政治の専門家としてはあり得ず
特定の分野の専門家というだけでは政治家になり得ない
 
政治学の専門家という
社会の仕組みに詳しい人はいるだろうけれど
政治家という専門職はない
 
政治が専門家のインテリジェンスをもっぱらとするなら
無自覚にか恣意的にか
きっと誰かを何かを無視することになる
 
 
(2014年09月15日)
当たり前のことかもしれませんが気になっています・・
 
 
 
 

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