離人
・・信仰の病理
中身の矛盾と混乱が
自らの裏切りによって壊れたことを
すでに示しているのに
至高の賜物のはずだから
という「筈」のみに囚われて
伝える正当性の執念と化した観念が
もうすでに
伝える資格が虚像に過ぎなくなっているのに
どこにも波風を立てない安寧の波動
という矛盾・・!
何も成り立っていない自分を
すべて整っている気分に
塗り替えてしまうスプレー缶の衝動が
知性と感性を
再生だけの
プレーヤーに
スピーカーに
リピーターに
機能を売り渡し
構造をすり替え
余裕の笑みのつもりの薄笑いは
強迫観念とも気づかず
怨念とも気づかず
離人とも気づかず
無傷を装って
人界から
架空の超常へ乖離してゆく
かつて柔和だったもの
かつて湿度だったもの
かつて温度だったもの
かつて色彩だったもの
人間として感受したすべてのものと引き換えに
(2016年06月28日)
(2016年06月30日、一部修正)
離人(りじん)
筈(はず)
賜物(たまもの)
囚われる(とらわれる)
安寧(あんねい)
衝動(しょうどう)
無傷(むきず)
人界(じんかい)
乖離(かいり)
離人(りじん)
筈(はず)
賜物(たまもの)
囚われる(とらわれる)
安寧(あんねい)
衝動(しょうどう)
無傷(むきず)
人界(じんかい)
乖離(かいり)