カテゴリ: 数学・算数・図形
「倍数判定の基本から」
一の位から、桁の数値に、
1,3,2、-1、-3、-2、を掛けてゆく方法を
下記に示した。この6つの掛ける数は、循環する。
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/18488369.html
比較的に覚えやすいので、まあ、使えるかと思う。
(n+1)桁の整数Aは、AnAn-1・・・A3A2A1A0、
=An×10^n+An-1×10^(n-1)+
・・・+A3×10^3+A2×10^2+A1×10+A0
=Σ(An×10^n) と表される。
私の方法と違って、
もっと一般的に、一桁ずつの余りを足してゆく方法である。
そこでは、まず位を表す10のn乗、つまり、10^nを
1,10,100,1000、・・
つまり、10^0,10^1,10^2,10^3、・・を
それぞれ7で割った余りを求める。
そこで例えば、1000を7で割った余りは、
100を7で割った余りに、10を7で割った余りを掛ければよい
と言うようなやり方で余りを求めてゆく。
10^(k-1)=7M+a、10=7+3、とすると、
これらを掛けて、10^k
=10^(k-1)×10=(7M+a)(7+3)
=7^2×M+3×7M+7×a+3a
=7の倍数+3a、となり、余りは、3a、から求められる。
つまり、10^kを7で割った余りは
10^(k-1)を割った余り×10を割った余り3
=3a、で求められることが分かる。このことを使って、
1は、7×0+1として、余りは、1
10は、7+3として、余りは、3
100は、10で割った余りを2回かけて、3×3=9=7+2、余りは、2
1000は、
100で割った余り×10を割った余り=3×2=6=7-1、余りは、―1
10^4は、
1000を割った余り×10を割った余り=(-1)×3=-3、余りは、-3
10^5は、
10^4を割った余り×10を割った余り
=(-3)×3=-9=-7-2、余りは、-2
10^6は、
10^5を割った余り×10を割った余り
=(-2)×3=-6=-7+1、余りは、1
10^7は、
10^6を割った余り×10を割った余り=1×3=3、余りは、3、となり
余りが、1、となった時点で、そこからは、
計算過程が同じなので、1,3,2、-1、-3、-2、を繰り返す
ということが分かる。
ゆえに
整数A=Σ(An×10^n)
=Σ(An×((7で割った商)+(7で割った余り)))
=Σ(An×(7Kn+それぞれの桁の余り)) となるので、
=Σ(An×7Kn(7の倍数部分))+Σ(An×余り(倍数判定部分))
7の倍数部分を除いて、
倍数判定部分である「Σ桁の数An×余り」だけを下1桁から表すと、
A0×1+A1×3+A2×2+A3×(-1)+A4×(-3)+A5×(-2)+・・
となって、このように、
1,3,2、-1、-3、-2、を循環して、
一桁ずつに掛けて、それらを足して、判定することが出来る。
この方法だと、7の場合に限らず、
上と同様の手順で、倍数判定をすることが出来そうです。
ネットでは、13で割ったときの判定法が載っている。
倍数判定法の基本原理として、より一般的と言えるだろう。
(2016年05月28日)
「7の倍数判定法」
7の倍数判定法(2)
7の倍数判定については、前に記事に書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/7237614.html
そこにこの記事部分も追加して書いたのですが、ずいぶん前のことなので、
改めて、今回、1桁ずつ掛けて足す方法について記事にします。
桁ごとに、簡単な整数を掛けて、足して、判定する方法です。
7の倍数部分を略して略して
7の倍数判定部分を小さくしていきます。
(「^」は、べき乗を表します。3^2=3の2乗=9)
整数A=An・・・A5A4A3A2A1A0 ((n+1)桁の整数の十進法表記)
=An×10^n+・・・+A3×10^3+A2×10^2+A1×10^1+A0
=ΣAn10^n=ΣAn(7+3)^n
2項定理の展開式より、
=7K1+Σ(An・3^n)
n=6m+p とおくと、pは、6で割った余り
ゆえに、pは、0、1、2、3、4、5、で、
Anの、桁nによって変わる。pに置き換えると、
=7K1+Σ(An・3^(6m+p))
=7K1+Σ(An・3^6m・3^p)
=7k+Σ(An・(3^6)^m・3^p)
3^6=729=728+1=7×104+1 だから
=7K1+Σ(An・(7×104+1)^m・3^p)
再び、2項定理の展開式より、
=7K1+Σ(An・(7K2+1)・3^p)
=7K1+Σ(An・7K2・3^p)+Σ(An・3^p)
=7K3+Σ(An・3^p)
ここで、pは、nによって異なるので、当てはめると
整数Aの7の倍数判定部分、Σ(An・3^p) は、
n=6m のとき p=0 3^0=1 桁の数に、1を掛ける
n=6m+1 のとき p=1 3^1=3 桁の数に、3を掛ける
n=6m+2 のとき p=2 3^2=9
=7+2 桁の数に、2を掛ける
n=6m+3 のとき p=3 3^3=27
=28-1=7×4-1
桁の数に、-1を掛ける
n=6m+4 のとき p=4 3^4=81
=84-3=7×12-3
桁の数に、-3を掛ける
n=6m+5 のとき p=5 3^5=243=245-2=7×35-2
桁の数に、-2を掛ける
あとは、p:0~5の場合を循環する。
つまり、1,3,2、-1、-3、-2、を循環する。これを
それぞれ、A0、A1、A2、A3、A4、A5、・・・、に掛けて、足したものが
整数Aの、7の倍数判定部分である。
例えば、整数Aの7の倍数判定部分、Σ(An・3^p)を考えると、
下一桁目A0 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A0×3^0=A0、
つまり掛ける数は、1
下二桁目A1 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A1×3^1=A1×3=3×A1、
つまり掛ける数は、3
下三桁目A2 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A2×3^2=A2×9=A2(7+2)=7×A2+2×A2、
掛ける数は、7の倍数を除いて、2
下四桁目A3 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A3×3^3=A3×27=A3(28-1)=7×4×A3-A3、
掛ける数は、7の倍数を除いて、-1
下五桁目A4 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A4×3^4=A4×81=A4(84-3)=7×12×A4-3×A4
掛ける数は、7の倍数を除いて、-3
下六桁目A5 の整数Aの7の倍数判定部分は、
A5×3^5=A5×243=A5(245-2)=7×35×A5-2×A5
掛ける数は、7の倍数を除いて、-2
整数Aの7の倍数判定部分は、上の6つの式の7の倍数部分を除いて、
掛けて、足して、
A0+3A1+2A2-A3-3A4-2A5+・・・ と6桁ごとに循環する。
以上、我流・回り道の解答例でした。失礼。
下から3桁ずつに区切って奇数区と偶数区の差で判定する方法や
ABCについて、AB-2C、で判定する方法については
前に書いた
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/7237614.html
を参照してください。
(2016年05月22日)
「小学生に循環小数→分数を」
循環小数を分数に(等比級数を使わずに)
(分数と小数の計算・・小学校レベル?)
まず高校で習う等比級数を使う場合、
0.ABCABCABC・・・は
初項 0.ABC、公比 0.001、の等比級数だから
公式より、初項/(1-公比)=(0.ABC/0.999)
=ABC/999 ―――――――――――――――――――――(0)
循環する数を分子に置き、分母にその桁数だけ9を並べればよい
ということになります。
しかし等比級数を使わないで求めるのも難しくはありません
・・ということで・・簡単なことだから
小~中学生は既に習っているのかもしれませんが、
問題: 0.123123123・・
という、123を繰り返す循環小数を
(等比級数を使わずに)分数にするには?
解答例:
まず基本的な計算として
(1÷9=0.111・・・
ここから両辺に一桁の整数をかけて、8÷9=0.888・・・、
9÷9=0.999・・=1、までが分かります。
1÷99=0.010101・・・、
ここから、同様にして、9÷99=0.090909・・・、
までが分かります。ここはこの問題では参考まで・・)
1÷999=0.001001001・・・、 ――――――――――(1)
ここから、同様にして、9÷999=0.009009009・・、
までが分かります。
この計算には規則性があるので
循環する桁数が何桁になっても、やり方は分かると思います。
0.123123123・・・
=123×(0.001001001・・・)
(1)を代入して
=123×(1/999)=123/999 --(答え)
桁数が多いときは(1)の代わりに
1÷(循環する桁数だけ9を並べた数)
=0.00・・01 00・・01 00・・01・・・
という循環小数を用いる。(00・・01が、循環する桁数になる)
恥ずかしながら、今まで循環小数は
等比級数を使わないと求められないと思っていました。
なんのことはない・・(0)の答えを見て
ちょっと考えれば、とても簡単だったんですね・・(苦笑、汗、失礼)
(2015年08月01日)
「0.999・・・=1?」
0.999・・・=1 ?
ふつうは次のように理解する。
実際に計算して
左辺×3=1÷3×3=1
右辺×3=(0.333・・・)×3
=0.999・・・
∴ 1=0.999・・・
0.999・・・は、9が無限に続く数として
つまり無限循環小数として理解されているが、
0.999・・・というのを
はたして数として理解してよいのか・・。
数式で考えると、他の無限循環小数についても同様だが、
0.999・・・は、
初項0.9、公比0.1の
等比数列の無限和である。
その値をSとすると、
S=(0.9)+(0.9)×(0.1)+(0.9)×(0.1)^2
+・・・(0.9)×(0.1)^(n-1)+・・・ ―――――(1)
これは
lim(n→∞)Σ(nまで)(0.9)×(0.1)^(k-1)――(2)
として公式 S=(1-公比)/初項 より
=(1-0.1)/(0.9)
=(0.9)/(0.9)=1
と求められている。
(2)の lim は、0.999・・・が
何に近づくかという極限値、
言い換えると近づく目標の数値を表している。
求めるべき(1)は、0.999・・・そのものがいくつか
という数値である。
目標の数値に限りなく近づくが
目標の数値そのものではない・・という感覚・・
さらに、無限を数えた人はいない、無限は数えられない、
という問題があり、つまり、
無限および無限大は数ではなく概念である。
何故なら ∞+∞=∞ などのように成立せず、
無限は数のように計算することが出来ない、
数に成り立つべき演算法則が成り立たない
というのがあると思う。
したがって、0.999・・・としか表せない数値には
「限りなく近いは等しいに等しい」
という合意があるとしか言えない。
ゆえに、0.999・・・=1 と表記されるのだろう。
これは概念上の合意であり直観的公理?かもしれないが、
その根拠は、
1. 限りなく1に近づくから。
2. 1以外の数値には決して近づかないから。
3. 0.999・・・と 1 の差があったとしても
0.999・・・=1 とした場合の
いかなる演算においても
その誤差は常に無限小
という幾らでも小さくなる差であるから。
といったところか・・
私は哲学を知らないのだが、あえて言うなら、
数と記号と図形で最も厳密な演繹論理を持っている数学も
他の言論つまり言葉で表す論理においても
概念においては哲学の深淵をしばしば覗いている。
それが公理とか直観的把握~理解というものなのだろう。
(2015年07月10日、同日一部修正)