10/10の痛み
私は、今までの64年の人生で
最大と思える痛みを二度味わっている。
二度とも歯科においてだった。
一度目は学生のとき
歯科で抜歯をするのに
私が心臓に欠陥があると告げると
紹介状を書いて検査するように言われ
内科に行って検査して
内科が歯科にどう返事したかは知らないが
自覚症状もなかったし
特に何かの処置がいけないとは言われなかった。
そして歯科で局所麻酔を受けたのだが、
口の中、何にも麻痺してない。
プラセボ(偽薬)であるとすぐ分かった。
医学生にプラセボ使うかな・・。
どこまで我慢できるだろうと思った。
私の歯は脆くて
ペンチのような器具で挟んで抜こうとしても
すぐ砕けてしまう。
それで歯茎がより広く見えるようにか
メスで歯肉を切った。
もちろん麻酔は偽りなので
ジョリッという感じが直に分かった。
でもそれは最大の痛みではない。
少し痛くて気持ち悪いだけだった。
それでも挟んで抜けないので
今度は何か叩く道具があるらしい。
それで歯茎を横から、カーンと叩くと
激痛が走り
呼吸が止まった。
正確に言うと反射的に吸気が強く抑制された。
悪いことに
カーンは繰り返された。
そのたびに吸気が止まる、息が吸えない、
つまり呼吸できないのである。
だんだん目の前がチラチラしてきて
吐き気がして
気が遠くなりそうだったので
緑の布の下から手を動かして
しばらく休憩してもらった。
そのあと処置を再開して間もなく抜歯できたけど
そのときの痛みは忘れない。
呼吸ができなくなる
→ 続けば意識を失う必然
これが10のうち10の痛みだと思っている。
気を失ったほうが楽なのだ。
それから40年余の後、
二度目も歯科である。
またしても抜歯である。
今回は局麻も効いて無痛のうちに無事に済んだ。
歯肉がいびつな格好だったので一針縫合した。
家に帰って夕食
痛い歯は抜いたと安心して噛もうとしたら
ビーン、と激痛が走った。
その瞬間ストップモーションのように体の動きと呼吸が止まる。
私が心臓に欠陥があると告げると
紹介状を書いて検査するように言われ
内科に行って検査して
内科が歯科にどう返事したかは知らないが
自覚症状もなかったし
特に何かの処置がいけないとは言われなかった。
そして歯科で局所麻酔を受けたのだが、
口の中、何にも麻痺してない。
プラセボ(偽薬)であるとすぐ分かった。
医学生にプラセボ使うかな・・。
どこまで我慢できるだろうと思った。
私の歯は脆くて
ペンチのような器具で挟んで抜こうとしても
すぐ砕けてしまう。
それで歯茎がより広く見えるようにか
メスで歯肉を切った。
もちろん麻酔は偽りなので
ジョリッという感じが直に分かった。
でもそれは最大の痛みではない。
少し痛くて気持ち悪いだけだった。
それでも挟んで抜けないので
今度は何か叩く道具があるらしい。
それで歯茎を横から、カーンと叩くと
激痛が走り
呼吸が止まった。
正確に言うと反射的に吸気が強く抑制された。
悪いことに
カーンは繰り返された。
そのたびに吸気が止まる、息が吸えない、
つまり呼吸できないのである。
だんだん目の前がチラチラしてきて
吐き気がして
気が遠くなりそうだったので
緑の布の下から手を動かして
しばらく休憩してもらった。
そのあと処置を再開して間もなく抜歯できたけど
そのときの痛みは忘れない。
呼吸ができなくなる
→ 続けば意識を失う必然
これが10のうち10の痛みだと思っている。
気を失ったほうが楽なのだ。
それから40年余の後、
二度目も歯科である。
またしても抜歯である。
今回は局麻も効いて無痛のうちに無事に済んだ。
歯肉がいびつな格好だったので一針縫合した。
家に帰って夕食
痛い歯は抜いたと安心して噛もうとしたら
ビーン、と激痛が走った。
その瞬間ストップモーションのように体の動きと呼吸が止まる。
片方の目だけから反射的に涙が出る。
あの時と同じ痛みだ。
ビーンが治まるまでは息が出来ない。
何か食べると、またビーン、ということで
ろくに物が食えず流動物などを飲んで
二週間ほぼ寝込んでいた。
受診予定日は一週間後だが
体力も気力もなく弱っていて
行く気にならない。
電話もない。
縫合の糸を残したまま放置か。
見切りをつけてこちらも放置。
二週間後
ついに自棄気味になり
鏡を見ながら
爪楊枝で縫合糸を引っ掛け
裁縫用の糸きり鋏で切ろうとしたら
糸は円い輪のままプツッと取れた。
血が流れ出る。
そのとき痛みが7~8から1に減った。
縫合の糸が神経に触っていたのである。
二度目のときは
早く歯科を受診するべきである。
なんとなく行きたくなかったのは、
愛想もなく説明も乏しくて、
虫歯だらけの年寄りを扱うのが嫌なのだろうか
などと思っていたから。
一度目の痛みの後は
最大の痛み=呼吸が止まる痛み
と思っているので
注射とか打撲とかなんてことないし、
バイクで朝の防波堤に衝突して
骨折して立てなくて意識も失って
救急車で運ばれて病院で目覚めたときも
これは最大の痛みではないと思った。
(2018年06月23日、同日一部修正)
脆い(もろい)
直に(じかに)
自棄(やけ)
爪楊枝(つまようじ)
あの時と同じ痛みだ。
ビーンが治まるまでは息が出来ない。
何か食べると、またビーン、ということで
ろくに物が食えず流動物などを飲んで
二週間ほぼ寝込んでいた。
受診予定日は一週間後だが
体力も気力もなく弱っていて
行く気にならない。
電話もない。
縫合の糸を残したまま放置か。
見切りをつけてこちらも放置。
二週間後
ついに自棄気味になり
鏡を見ながら
爪楊枝で縫合糸を引っ掛け
裁縫用の糸きり鋏で切ろうとしたら
糸は円い輪のままプツッと取れた。
血が流れ出る。
そのとき痛みが7~8から1に減った。
縫合の糸が神経に触っていたのである。
二度目のときは
早く歯科を受診するべきである。
なんとなく行きたくなかったのは、
愛想もなく説明も乏しくて、
虫歯だらけの年寄りを扱うのが嫌なのだろうか
などと思っていたから。
一度目の痛みの後は
最大の痛み=呼吸が止まる痛み
と思っているので
注射とか打撲とかなんてことないし、
バイクで朝の防波堤に衝突して
骨折して立てなくて意識も失って
救急車で運ばれて病院で目覚めたときも
これは最大の痛みではないと思った。
(2018年06月23日、同日一部修正)
脆い(もろい)
直に(じかに)
自棄(やけ)
爪楊枝(つまようじ)
鋏(はさみ)
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