前の記事 「2次関数曲線の長さ」
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の積分の計算過程で、Cを積分定数として、
∫√(1+t^2)dt = (1/2)( t √(1+t^2)+ log(t+√(1+t^2 )))+C
――――(1)
を求めて使ったつもりでしたが、いまいち自信がないので、
確認する目的で検索などしておりました。すると、
∫√(1+t^2)dt
= (1/2)( t √(1+t^2) + arcsinh (t) ) + C ―――(2)
という式が載っていました。・・なんじゃこれは!?・・
対数では表せないのか、間違ったのか、三角関数の逆関数の類か、
と驚きました。知らない関数でした。でも読んでいくと、
arcsinh(t) = log ( t + √( 1 + t^2 ) ) ――――――――――(3)
と書いてありました。対数で表せて、(3)より、(1)と(2)は同じ、
つまり正しかったわけですから、ほっとしましたが、
対数を三角関数に似た式で表した arcsinh(t)
という関数が分かりません。・・で、また悪戦苦闘です。
問題:
sinh(x)=( e^x-e^(-x))/2 ――――――――――(4)
と定義するとき、その逆関数、
arcsinh(x)= log(x+√(1+x^2)) ――――――――(5)
であることを証明しなさい。
解答例:
sinh(x)の定義は上(4)の通りで、
その逆関数が arcsinh(x) らしいです。
よく分からないけど、読んだ限りでは、
直接三角関数とは結びついていない感じですが、
微分や加法定理などが混同して間違えそうなほど
三角関数と非常によく似ています。
それで sin という文字を含んだ関数表記にしたのかな
・・とも思いますが、詳しいことは知りません。
定義に、e が出て来てるから、自然対数の log も出てきそうだ
という気がしますが、「気がする」では数学にならないので、
(5)を証明することになります。
まず、逆関数とは・・というところから・・
y=f(x) という関数があるとき、
x と y を入れ替えて、
x=f(y) として、それを
y=g(x)
と表した g(x) を f(x)の逆関数という。
つまり、y=(e^x-e^(-x))/2 の x と y を入れ替えて
x=(e^y-e^(-y))/2 として、――――――――――(6)
y=arcsinh(x) と表したとき、 ――――――――――(7)
(5)が成り立つことを証明する問題です。
どうするんだ・・と思いましたが、結局、(6)より
2x=e^y-e^(-y)=(e^y)-(1/(e^y)
( 両辺に(e^y)を掛けて )
2x(e^y)=(e^y)^2-1
(e^y)^2-2x(e^y)-1=0
(「x」は、掛け算ではなく、「x(エックス)」です。
どうやら(e^y)についての 2次方程式になりそうです。
ここでは実数で考えます。 ∴ e^y>0 解の公式より、)
(e^y)=((2x)+√((2x)^2+4))/2
=(2x+√(4x^2+4))/2=(2x+2√(x^2+1))/2
つまり、 e^y = x+√(x^2+1) ということになり、
両辺の自然対数を取ると、
y = log(x+√(x^2+1)) ―――――――――(8)
以上、(7)と(8)より、問題の(5)
arcsinh(x)= log(x+√(1+x^2)) が証明された(と思う)。
記号について、sinh は、hyperbolic(双曲線の)sine (サイン、正弦)
という意味で、sin に h を加えて sinh と表し、
それに、「逆(関数)」の意味の arc を加えて、sinh の逆関数 arcsinh
という意味のようです。log で表すと長くなり、arcsinh という
新しい記号を使ったほうが表記も簡便で計算上も便利に使える
ということなのでしょう。実際、sinh だけでなく cosh、 tanh、などもあり、
演算がいろいろ載っていて興味深いけれど、
(複素変数で、sinh(x)=-isin(ix) なんてのも載っていて、
そういえば定義がオイラーの公式からの sin の表記に似てる・・)
今は、そこまで考える気になれないので、この辺にしておきます。
ちょっと聞いただけでも
切りがない
知らないことが多すぎる
上を目指す気はないが
上を向いても
天を仰いでも
下を向いても
地上を眺めても
(2013年10月08日)
(2013年10月08日)