ウソの国-詩と宗教:st5402jp

キリスト信仰、カルト批判、詩のようなもの、思想・理念、数学・図形、などを書いています。

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前の記事 「2次関数曲線の長さ」
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/15689120.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n218175
の積分の計算過程で、Cを積分定数として、
 
 ∫√(1+t^2)dt =  (1/2)( t √(1+t^2)+ log(t+√(1+t^2 )))+C 
                                           ――――(1)
 
を求めて使ったつもりでしたが、いまいち自信がないので、
確認する目的で検索などしておりました。すると、
 
 ∫√(1+t^2)dt
        = (1/2)( t √(1+t^2) + arcsinh (t) ) + C ―――(2)
 
という式が載っていました。・・なんじゃこれは!?・・
対数では表せないのか、間違ったのか、三角関数の逆関数の類か、
と驚きました。知らない関数でした。でも読んでいくと、
 
 arcsinh(t) = log ( t + √( 1 + t^2 )  )  ――――――――――(3)
 
と書いてありました。対数で表せて、(3)より、(1)と(2)は同じ、
つまり正しかったわけですから、ほっとしましたが、
対数を三角関数に似た式で表した arcsinh(t) 
という関数が分かりません。・・で、また悪戦苦闘です。
 
 
問題:
 
  sinh(x)=( e^x-e^(-x))/2 ――――――――――(4)
 
と定義するとき、その逆関数、
 
  arcsinh(x)= log(x+√(1+x^2)) ――――――――(5)
 
であることを証明しなさい。
 
 
解答例:
 
 sinh(x)の定義は上(4)の通りで、
その逆関数が arcsinh(x) らしいです。
 
よく分からないけど、読んだ限りでは、
直接三角関数とは結びついていない感じですが、
微分や加法定理などが混同して間違えそうなほど
三角関数と非常によく似ています。
それで sin という文字を含んだ関数表記にしたのかな
・・とも思いますが、詳しいことは知りません。
 
定義に、e が出て来てるから、自然対数の log も出てきそうだ
という気がしますが、「気がする」では数学にならないので、
(5)を証明することになります。
 
 
まず、逆関数とは・・というところから・・
 
   y=f(x) という関数があるとき、
 
x と y を入れ替えて、
 
   x=f(y) として、それを
 
   y=g(x) 
 
と表した g(x) を f(x)の逆関数という。
 
 
つまり、y=(e^x-e^(-x))/2 の x と y を入れ替えて
 
    x=(e^y-e^(-y))/2 として、――――――――――(6)
 
    y=arcsinh(x) と表したとき、 ――――――――――(7)
 
(5)が成り立つことを証明する問題です。
 
どうするんだ・・と思いましたが、結局、(6)より
 
  2x=e^y-e^(-y)=(e^y)-(1/(e^y)
 
( 両辺に(e^y)を掛けて )
 
  2x(e^y)=(e^y)^2-1 
 
  (e^y)^2-2x(e^y)-1=0 
 
(「x」は、掛け算ではなく、「x(エックス)」です。
 どうやら(e^y)についての 2次方程式になりそうです。
 ここでは実数で考えます。 ∴ e^y>0 解の公式より、)
 
  (e^y)=((2x)+√((2x)^2+4))/2
  =(2x+√(4x^2+4))/2=(2x+2√(x^2+1))/2
 
 つまり、 e^y = x+√(x^2+1) ということになり、
 
両辺の自然対数を取ると、
 
      y = log(x+√(x^2+1)) ―――――――――(8)
 
以上、(7)と(8)より、問題の(5)
 
  arcsinh(x)= log(x+√(1+x^2)) が証明された(と思う)。
 
 
記号について、sinh は、hyperbolic(双曲線の)sine (サイン、正弦)
という意味で、sin に h を加えて sinh と表し、
それに、「逆(関数)」の意味の arc を加えて、sinh の逆関数 arcsinh
という意味のようです。log で表すと長くなり、arcsinh という
新しい記号を使ったほうが表記も簡便で計算上も便利に使える
ということなのでしょう。実際、sinh だけでなく cosh、 tanh、などもあり、
演算がいろいろ載っていて興味深いけれど、
(複素変数で、sinh(x)=-isin(ix) なんてのも載っていて、
 そういえば定義がオイラーの公式からの sin の表記に似てる・・)
今は、そこまで考える気になれないので、この辺にしておきます。
 
 ちょっと聞いただけでも
 切りがない
 知らないことが多すぎる
 上を目指す気はないが
 上を向いても
 天を仰いでも
 下を向いても
 地上を眺めても
 
 
(2013年10月08日)
 
 
 
 

⊿(デルタ)を使う基本的な方法と、置換積分を使います。
 
 「2次関数曲線の長さ」
 
 
⊿θ を用いた極座標での曲線の長さを求める問題は
「頂点同士が追いかける正方形・関数」
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/11754908.html
「頂点同士が追いかける正n角形・関数」
http://blogs.yahoo.co.jp/st5402jp/11760700.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n175514
に書いたが、
 
今回は、xy座標で、⊿x を用いる
という意味で基本的な問題として
 
めんどくさそうだが、できそうな問題なら、
できるところまで、やってみようということで・・
あまりきれいな結果は出なかったけれど、
2次関数は微分すると1次になるので、
高校レベルでの置換積分が使えると思いました。
 
 
 y = f(x)= ax^2+bx+c ―――――――(1)
 
 f’(x)=2ax+b ――――――――――――――(2)
 
図1)
イメージ 1
ここでも微小なxの増分を⊿x、yの増分を⊿yとし、
微小な曲線の長さを直角三角形の斜辺と見なして⊿Lとする。
 
⊿L^2=⊿x^2+⊿y^2
 
⊿L=√(⊿x^2+⊿y^2)
 
⊿L/⊿x=√(1+(⊿y/⊿x)^2)
   ↓
   ↓ ⊿x→0
   ↓
微分(dL/dx)=√(1+(dy/dx)^2)
 
 ∴ L=∫√(1+(dy/dx)^2)dx
    =∫√(1+f’(x)^2)dx   ――――――――(3)
 
2次関数では、(1)(2)(3)より、
 
  L=∫√(1+(2ax+b)^2)dx ―――――――――(4)
 
ここで、置換積分 2ax+b=t と置く。この両辺をtで微分して、
 
  2a (dx/dt)=1 
 
 ∴ (dx/dt)=1/(2a) ――――――――――(5)
 
ゆえに、(4)は、
 
  L=∫√(1+t^2)(dx/dt)dt だから、(5)より、
 
  L=(1/2a)∫√(1+t^2)dt ―――――――――(6)
 
次は、高校の参考書に載っていた置換積分、
 
 u=t+√(1+t^2) と置く。 ――――――――――(7)
 
 u-t=√(1+t^2) ―――――――――――――(8)
   (両辺2乗して)
 u^2-2ut+t^2=1+t^2
 ∴ u^2-2ut=1 
 2ut=u^2-1
 
  t=(u^2-1)/(2u)  ―――――――――――(9)
 
また、(8)(9)より、
 
 √(1+t^2)=u-t=u-(u^2-1)/(2u)
        =(2u^2-(u^2-1))/(2u)
 
 ゆえに、√(1+t^2)=(u^2+1)/(2u) ――――――(10)
 
また、(7)の両辺をuで微分して、
 
 1=(1+t/√(1+t^2))(dt/du)
  =((√(1+t^2)+t)/√(1+t^2))(dt/du)
                            ――――(11)
 
(11)に(7)(10)を代入して、
 
 1=(u/((u^2+1)/(2u)))(dt/du)
 
ゆえに、微分(dt/du)=(u^2+1)/(2u^2) ――――(12)
 
(6)、(10)、(12)より、
 
 L=(1/2a)∫√(1+t^2)dt
=(1/2a)∫√(1+t^2)(dt/du)du
=(1/2a)∫(((u^2+1)/(2u))(u^2+1)/(2u^2))du
=(1/2a)∫((u^2+1)^2/4u^3)du
=(1/2a)∫((u^4+2u^2+1)/4u^3 )du
=(1/2a)∫( u/4 + 1/2u + 1/4u^3 )du
=(1/2a)(u^2/8 + (log u)/2 -(1/(8u^2))+C
                     (Cは、積分定数)
=(1/2a)(u^2/8 -(1/(8u^2) + (log u)/2)+C
=(1/16a)( u^2 -1/u^2 + 4 log u )+C
 
  ( 置換された変数を戻してゆくと、
 
   u^2-1/u^2
   = (t+√(1+t^2))^2 - 1/(t+√(1+t^2))^2
   = (t+√(1+t^2))^2
         - (t-√(1+t^2))^2/(t+√(1+t^2))^2 (t-√(1+t^2))^2
       = (t+√(1+t^2))^2 - (t-√(1+t^2))^2/((t^2-(√(1+t^2))^2)^2
   = (t+√(1+t^2))^2 - (t-√(1+t^2))^2/(t^2-(1+t^2))^2
   = (t+√(1+t^2))^2 - (t-√(1+t^2))^2/(-1)^2
   = (t+√(1+t^2))^2 - (t-√(1+t^2))^2
   = 4t√(1+t^2)  となるので、 )
 
= (1/16a)(4t√(1+t^2) + 4 log u )+C
= (1/4a)( t √(1+t^2) + log u )+C 
 
(7)より、log u = log(t+√(1+t^2) も戻して、
 
L=(1/4a)( t √(1+t^2) + log( t+√(1+t^2 ))) + C
                            ―――――――――(13)  
という不定積分を得る。なお、t=2ax+b  ――――――――――――――(13)
 
 ( これは一般的に、
   ∫√(1+t^2)dt = (1/2)( t √(1+t^2) + log(t+√(1+t^2 ))) + C 
    という不定積分を使ったことを意味しています。 )
 
 
(13)を用いて、
 y=x^2 の、x=0から1までの長さを求めてみます。
図2)
イメージ 2
ax^2+bx+c の、a=1,b=c=0,だから
x=0のとき、t = 2ax+b = 2x =0
x=1のとき、t = 2x = 2 なので、
 
L=L(1)-L(0)= L(1)
    ( L(0) = 0 )
 =(1/4)( 2√5 + log(2+√5)
 =√5/2 + log(2+√5)/4
   ( log は、微積分なので自然対数 )
 ≒(2.236)/2 + log(4.236)/4
   (関数電卓を用いて計算すると)
 ≒1.118 + 0.361
  ≒ 1.479 
 
直線距離が、√2≒1.414 だから
もう少し長そうな気もしますが・・・
勘違いか計算間違いをしているかもしれません。
よかったらアドバイスくださいませ。
 
それにしても微小な増分⊿θや⊿x においては、
前の扇形の重心のときは二等辺三角形と、
今回は直角三角形と見なす、など、
なんだか⊿の記号の形のように三角形が基本のような気がしました。
 
 
(2013年10月07日、同日一部修正)
 
 
 
 

 
 先の短い爺には
 間に合わないくらい
 微小は限りなく0に近づいて
 微小が微小のままなら
 消えてしまって跡形もないのだが
 微小の無限和や
 微小を微小で割るとき
 無でも無限でもなく
 明らかな形が
 滑らかな曲線が
 ときに現れて来て
 労うようで
 意地悪そうな微笑を浮かべて
 紙とペンを持つ爺にも言うのです
 
 「徒労、お疲れさま、先は長いよ」
 
 
 
ネットで検索して見たのは物理数学のサイトだったらしい。
積分式も ∫・・・dV とか書いてあって、体積で積分?と、
さっぱり分からなかったが、今考えてみると、
dVは、微小な厚さを持つ断面の無限和という意味だったかもしれない。
でも、それを使いこなせないので、
やっぱり馴染みのある高校数学レベルで試みてみる。
 
今回は立体で、円錐と半球の重心を求めたい。
面の無限和とも言えそうだが、
極めて薄い微小な厚さを持つ断面の無限和
とも言えるだろう。
位置はどちらも x 軸上にある。
今回は xy 座標 で計算しました。
 
G=(厚さが微小な断面積×その位置)の無限和/(全体の体積) ――――(1)
ということになる。
(1)の式の「位置」を表すのは x で、
断面積の微小な厚さが ⊿x になるようだ。
(「扇形の重心を積分で」で重心と積分を勉強した分、前の扇形より少しは楽かもしれない??)
 
 
問題1:半径 r、高さ h、円錐の重心
図1)
イメージ 1
 z 軸 は 省略しているが、
重心が断面の円の中心であることは明らかなので
重心は x 軸上にあり、
重心G(p,0,0)とする。
 
y=(r/h)x ――――――――――――――――――――(6)
これが断面の円の半径になる。
 
(1)の分子
つまり、厚さが微小な断面積×その位置の無限和、これをKとすると、
その微小な部分は、⊿K となる。
厚さが ⊿x の円柱の無限和とも言えるので、
 
 ⊿K = π((r/h)x)^2・x・⊿x 
 (このまま(7)に持ってゆくこともできるらしいが)
 
 ⊿K/⊿x = ( π(r/h)x)^2・x
    ↓
    ↓ ⊿x → 0 (右辺に⊿xがないので、そのまま)
    ↓
微分(dK/dx)= π(r/h)^2・x^3
 
 ∴ K = π(r/h)^2・∫「0~h」x^3 dx ――――――(7)
 
    = π(r/h)^2・(h^4)/4
 
    = π(r^2)(h^2)/4 ―――――――――――――(8)
 
(8)が(1)の分子、分母は円錐の体積 = hπr^2/3 ――――(9)
 
ゆえに、(8)/(9)の計算となり、
重心 x 座標の p = (π(r^2)(h^2)/4)/(hπr^2/3)
 
         = 3h/4 =(3/4)h
 
以上より、円錐の重心 G ((3/4)h,0,0)
 
つまり、円錐の重心は、頂点から (3/4) h のところにあり、
底面の円の中心から (1/4) h のところにある。 ――――――――(答え1)
 
 
問題2:半径 r の半球の重心
 
解答例2:
図2)
イメージ 2
 z 軸 は 省略しているが、
これも重心が断面の円の中心であることは明らかなので
重心G(p,0,0)とする。
 
y=√(r^2-x^2) ―――――――――――――――――――――――(2)
これが断面の円の半径になる。
 
(1)の分子
つまり、厚さが微小な断面積×その位置の無限和、これをKとすると、
その微小な部分は、⊿K となる。
厚さが ⊿x の円柱の無限和とも言えるので、
 
 ⊿K = π(√(r^2-x^2))^2・x・⊿x
 (このまま(3)に持ってゆくこともできるらしいが)
 
 ⊿K/⊿x = π(r^2-x^2)・x
    ↓
    ↓ ⊿x → 0 (右辺に⊿xがないので、そのまま)
    ↓
微分(dK/dx)= π(r^2-x^2)・x
 
         = π(r^2・x-x^3)
 
 ∴ K = π∫「0~r」π(r^2・x-x^3)dx ――――――――(3)
 
    = π [ r^2・x^2/2-x^4/4 ]「0~r」
 
    = π(r^4/2-r^4/4)
 
    =πr^4/4 ―――――――――――――――――――――――(4)
 
(4)が(1)の分子で、分母は 半径rの半球の体積=2πr^3/3 ―――(5)
 
ゆえに、(4)/(5)の計算になり、
重心 x 座標の p = (πr^4/4)/(2πr^3/3)
 
         = 3r/8 = (3/8)r 
 
以上より、半球の重心 G ((3/8)r,0,0)
 
つまり、半球の重心は中心から半径の(3/8)のところにある。―――(答え2)
 
 
 
 とても小さくて
 どこへ行ったのだろう
 とても小さくて心細そうだったのだけれど
 傷心のうちに隠れて見えないのだろうか
 闇の中に潜んでいるのか
 遠くからの光に吸い込まれたのだろうか
 光の中に散乱したのだろうか
 大きさも重さもない点の存在が
 広く広く果てもない波動に同期して
 焦点に向かって終息したというのか
 それとも収束と発散を
 宇宙と木陰を
 高慢と心貧しさを
 一筋の清らかな
 直線でも曲線でもなく
 時空とも呼べないところへ
 透き通ったまま通り抜けて行ったのだろうか
 水とも火とも
 あれは・・・と
 名付けられる前に
 
 
(2013年09月30日)
(2013年10月02日、若干修正)
 
 
 
 

 
  円は三角形の最も美しい姿だ
  中心は無数の三角形に頂かれており
  円の面積は
  円周を底辺とし半径を高さとする三角形の面積に等しい
  三角形は円満に回帰する
  三角形と三角関係の違いだ
 
 
積分と言えば、それだけで難しい気がするが、
ネットで調べてみると・・やはり難しい(嘆)
・・ということで、
私が知っている高校数学レベルの範囲で考えてみた。
 
 
「重心を積分で求めてみる(?)」
 
 
問題1:扇形の重心
 図のように
 半径r、角度α の扇形の重心を求める。
 
イメージ 1
解答例1:
 ネットに載っていた積分式は難しくて分からなかったので、
 拙い我流だから間違っているかもしれないが
 
半径r、角度θ、微小な角度の増分⊿θ、の扇形を
図2に描いてみる。
 
イメージ 2
なお微積分で使いやすいように、
角度θ=(弧の長さ/半径r) ----------------(1)
即ちラジアンで表すことにする。
 
重心を求めるということは重心の位置を求めることだ。
位置には、xy座標、極座標、ベクトル、複素数・複素平面、
などが用いられるが、
ここでは、xy座標を求めることにする。
が、座標を表すのには極座標のrとθを用いる。
この問題では、rとθと⊿θで計算して、
最終的な答えとしては、重心 G の xy 座標、
即ち、G ( x 座標 、 y 座標) を 
それぞれ  r と α で表すことを目的とする。
 
ラジアン角では(1)より
弧の長さは、
 弧AB=rθ
 弧BB’=r⊿θ という掛け算で表すことが可能だ。
円周 2πr から計算すると
 2πr×(θ/2π)=rθ 
弧ABは同じ答えになる。以後、この説明は省略する。
また面積は、
 扇形OAB=rθ×r/2 = r^2・θ/2 ---------------(2)
 扇形OBB’=r^2・⊿θ/2 と表すことが出来る。---------(3)
(「・」も掛け算の記号)
(三角形の無限和として 高さ=半径、底辺=弧の長さ
 として計算してよいことになる)
円の面積 πr^2 から計算すると
 πr^2×(θ/2π)=r^2×θ/2 
(2)と同じ答えになる。以後、この説明は省略する。
 
⊿θでできる△OBB’は、二等辺三角形なので
△OBB’の重心は、OHを 2:1 で分割する点G’になる。
 
ここで、⊿が付く数は、微小であり、
かつ限りなく0に近づく性質を表す。
したがって、微小な⊿θの世界では、
⊿θで出来る△OBB’と扇形OBB’は等しいと見なす。
つまり、△OBB’の重心G' は扇形OBB’の重心  ----------(4)
と見なしてよいということになる。
ゆえに微小な⊿θレベルでは、弧BB' と 線分BB' は重なり、
OG' の長さは、OH = OM = r の 3分の2 と見なされるので、
 (2/3)r として計算してよい。 ------------------------(4)
△OBB’に、より近づいたやり方としては、
OG’=(2/3) r cos(⊿θ/2) とすることが出来るが、
⊿θ→0 では、cos(⊿θ/2)→1 なので、計算結果は同じになる。
 
(別に珍しいことではない。冒頭にも書いたが、
 小学校で円の面積の公式を説明するときに
 円を、中心を頂点とするたくさんの三角形の集まりとして
 「三角形を増やすと、ほら、円に近づくでしょ、近づくでしょ、」
 と習ったような気がする。
 結局、底辺が円周に近づき、高さは半径に近づき、
 限りなく近づき、
 つまり、円の面積は、
 円周×半径÷2=直径×円周率×半径÷2
 =2×半径×円周率×半径÷2=半径×半径×円周率
 これは微小な三角形の無限和、
 紛れもなく積分の考え方である。)
 
さて、重心の考え方についてだが、
ある物体がいくつかの部分に分かれていて、
それぞれの部分の物体の重心(の位置)は分かっていた場合、
全体の重心(の位置)は、
 
 ((部分の物体の体積または面積または重さ)×(それぞれの位置))の和
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
       (全体の体積または面積または重さ)
 
という足し算と割り算で求められる。
  
無限和の場合が積分になる。 (
円ならば重心は中心に一致するのだが)
扇形の重心を求めるこの問題では、
 
   {(⊿θで出来る三角形の面積)×(それぞれの重心の位置)}の無限和
  ―――――――――――――――――――――――――――――――
       (αの角度の全体の扇形の面積)
 
まず、重心の x座標 Gx を求めてみる。
分母の角度αの扇形の全体の面積は、
(2)(9)でも分かるように、 r^2 ・α/2 である。 ―――――――――――(12)
(4)を考えて、
重心の、x座標Gx =
((扇形OBB’の面積)×(扇型OBB’の重心)の無限和)/(r^2・α/2)  ――(9)
 
微小な扇形OBB’=△OBB’の面積は
左辺扇形=(r^2・⊿θ/2) ――――――――――――――――(5)
右辺三角形=2×rsin(⊿θ/2)×rcos(⊿θ/2)/2
  =r^2・sin(⊿θ/2)cos(⊿θ/2)
  =r^2・(1/2)sin⊿θ  ―――――――――――――――(6)
(B' から OB に垂線を下ろすと、(6)は直接導かれます。
 G' を表示するために、まわりくどい計算になりました。
 
微小な扇形OBB’の重心x座標Gx’は、
 Gx’=(2/3)r・cos(θ+⊿θ/2)  ――――――――――(13)
もう一度、図2
を示す。
イメージ 3
分子の扇形OBB’の面積×重心の座標(x座標)の無限和を Kと置くと
微小なKは、⊿K、
(4)を考慮して、
(6)の△OBB’のほうを用いると、⊿Kは(6)×(13)だから、
(微積分記号は、ここだけの表記です。すいません。)
 
 ⊿K=r^2・(1/2)sin⊿θ×(2/3)r・cos(θ+⊿θ/2)
 
 ⊿K=(1/3)r^2・sin⊿θ×r・cos(θ+⊿θ/2)
 
 ⊿K/⊿θ=(1/3)r^2・(sin⊿θ/⊿θ)×r・cos(θ+⊿θ/2)
    ↓
    ↓ ⊿θ→0、 (⊿θ/2)→0、 (sin⊿θ/⊿θ)→1
    ↓
微分(dK/dθ)=(1/3)r^3・cosθ ―――――――――――(7)
 
ゆえに、K=∫「0からαまで」(1/3)r^3・cosθ dθ
 
     =(1/3)r^3 [sinθ]「0からα」
 
     =(1/3)r^3 sinα ――――――――――――――(8)
 
(5)のほうを用いると
⊿K=(r^2・⊿θ/2)×(2/3)r・cos(θ+⊿θ/2)
⊿K/⊿θ=r^2・(1/3)r・cos(θ+⊿θ/2)
  ↓ ⊿θ→0
微分(dK/dθ)=(1/3)r^3・cosθ 
よって、(7) と同じになり、結果は(8)となる。
 
以上より、分子が(8)であり、
 
ゆえに求める重心の x座標 Gx は、
 
分母の角度αの扇形の全体の面積が
(2)(9)(12)に書いたように r^2 ・α/2 だから、
 
 Gx = (1/3)r^3 sinα /(r^2・α/2)
 
    = 2rsinα/(3α) ―――――――――――――――――――(10)
 
求める重心の y座標 Gy は、
x座標の場合の「cos(θ+⊿θ/2)→ cosθ」の部分が
「sin(θ+⊿θ/2)→ sinθ」になり、
Gx と違うところは、
 Gy’= (2/3)r・sin(θ+⊿θ/2) になることだけだから、
つまり積分される関数を  cosθ から sinθ にすればよい。 
 ( sinθの積分は、(-cosθ) )
 
K=∫「0からαまで」(1/3)r^3・sinθ dθ
 
     =(1/3)r^3 [-cosθ]「0からα」
 
     =(1/3)r^3 ((-cosα)-(-cos0))
 
     =(1/3)r^3(1-cosα)
 
ゆえに、Gy=(1/3)r^3(1-cosα)/(r^2・α/2)
 
      = 2r(1-cosα)/(3α) ―――――――――――(11)
 
まとめると、(10)(11)より、重心G(Gx,Gy)は、
 
  G ( 2rsinα/(3α)、 2r(1-cosα)/(3α) ) ――――(答え1)
 
 
以前、回転体の「?の定理」を利用して、半円と4分の1円の重心を求めたが、
(答1)によって一般角αで求められたことになる。検算を兼ねて、
 
問題2:半円の重心
 
解答例:
(答え1)に α=π を代入して、
 
G(0,2r(1-(-1))/(3π))
            = (0, 4r/(3π)) ―――――――(答2)
 
 
問題3:四分の一円の重心
 
解答例:
(答え1)に、α=π/2 を代入して、
 
G(2r×1/(3×π/2)、2r(1-0)/(3π/2))
 
       = ( 4r/(3π), 4r/(3π) ) ―――(答3)
 
 
この記事はこの辺にして少し休んでから、
次は円錐と半球の重心を書いてみたいと思っています。
 
 
(2013年09月29日、同日、記事タイトル修正、および一部修正、結構あちこち加筆修正)
(2013年09月30日、若干加筆修正)
(2018年09月20日、一部修正)
 
 
 
 

 
つまらないことばかり考えていました。
その結実(経過)がこの程度です。
 
 
  「和と積分」
 
 
和の極限が積分で
差の極限が微分か
 
「立方数の和」で書いた和の公式は
つまるところ積分に関係しているようです。
 
和の公式は整数の和、
積分は連続実数の和とも言えそうです。
 
1^3+2^3+・・+n^3=(1+2+・・+n)^2  ------------(1)
 
             =(n(n+1)/2)^2 -------------(2)
 
(1)は、積分にも当てはまるようです。
 
積分の公式:
 ∫x^p dx = (1/(p+1))x^(p+1)
       =x^(p+1)/(p+1) ------------------(3)
 
(情けない積分記号と x(エックス)で申し訳ないですが・・)
 
積分の範囲は(0からn)までの定積分として、
以下その表記を省略します。
 
 ∫ x^3 dx =(∫ x dx)^2   --------------------------(4)
 
    =n^4/4=(n^2/2)^2=(n・n/2)^2 -----(5)
 
(4)と(1)は、ともに「3乗の和」が「和の2乗」になる -------(6)
ということを意味しているようです。
 
(2)と(5)は、その値としての式が少し似ています。 ---------(7)
 
 
(7)に関連して、
 
2乗の積分は、
 
 ∫x^2 dx = n^3/3 -------------------------------(8)
 
平方数の公式は、
 
1^2+2^2+・・+n^2=n(n+1)(2n+1)/6 -------(9)
  (一見すると全然似てないようですが、少し変形すると)
     =n(n+1)2(n+(1/2))/6
     =n(n+(1/2))(n+1)/3 ----------------(10)
 
これは(8)の積分の (n・n・n)/3 に少し似ています。----(11)
 
少し近い、少し似ている和の公式と積分は、もちろん
等しくはなりません。
 
さらに、(2)と(5)、(10)と(11)を比べると分かるように
和の公式は積分より大きいようです。
 
  図1 上昇曲線なので
イメージ 1

図に示したつもりのように、
積分は曲線下の面積ですが、和の公式は
曲線に沿って描いた長方形の集まり、つまり階段の面積だからです。
 
図によって、和の公式>積分 であることも分かると思います。
 
しかし図の長方形の幅を限りなく狭くして
長方形の数を限りなく増やすと曲線下の面積になります。
 
私が若い頃には、その極限値を求めて、
曲線下の面積を求めることから積分に入ったような記憶があります。
 
今は、微分の逆を積分として、そのうえで
積分が曲線下の面積であることを証明しているようでした。
そちらのほうが私も分かりやすくはあるのですが・・・
 
以上、お粗末でした。
 
 昔書いたこと
 
 過去は忘却の積分であり
 現在は喪失の微分である
 
 
(2013年09月19日)
 
 
 
 

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