最近悪い心ばかりの私が昔
ネットで「死ね」と言われた頃に書いたもの・・
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朝を行く
 
 
ゆるやかに焼土と化してゆく町の
紙切れ一枚に託された
朝の光と入れ替わるように
みずみずしく滴り落ちてゆく
悪意
覚えはないという
廃虚に燻り炭化して肉質を離れる
かつての
そしてこれからの
痕跡
ほら今日もこんなに光っている
開いた肉芽を屈折して通る宝石の
切通しに立ち竦(すく)む
覚えられることを拒むかのような
幾つもの折れた眼差し
 
(1998年04月15日)
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人の文脈や筆致から
人格や態度や気持ちを読み取ろうとするとき
私は多く被害的で
その被害的念慮が何故生じるかを考えているが
いざ書いてみると
やはり感情的表現が入ってしまう。
人間である限り
感情のない理性などありえないのだろう。
その人間性そのものが危ういのだが・・
 
いっそポエムだけ書いていられたら
と思うこともあるけれど
少なくとも今の生から死に至るまで
ポエムの言葉だけ
というのもありえない。私の
日常語と非日常語は限りなく近くなって
もはや区別が付かないからだ。
 
(2012年09月02日)